賞金女王に輝いた経歴はないものの毎年着実に獲得賞金の上位に入り、安定した成績を残しているのが長嶋万記選手です。
SG戦にも14回出場しています。G1には3回優出、G2は6回優出していますが、残念ながらまだ優勝はありません。ただ、G3の優勝は19回、一般戦と合わせ、これまでに32回の優勝を飾っています。
しぶとさが身上の長嶋選手
初期の長嶋選手はアウトから豪快に突っ込む捲りを得意とする選手でしたが、近年の長嶋選手は自慢のハンドル捌きを活かしたイン戦を得意とするスタイルに変わってきたように感じます。
地味ではありますが、前を行く艇にしぶとく食らいつき、必ず舟券に絡んでくる強さがあるので、予想で切り捨てると痛い目にあいます。
笑顔の素敵なママさんレーサー
ただ、素顔の彼女は笑顔の素敵な魅力的なママさんレーサーです。
結婚は2010年、お相手は競艇界では珍しく一般の方で、オートバイメーカーに勤めるサラリーマンと言うことです。
2011年には長女を出産していますが、A1レーサーである彼女は遠征が多いため、早めに帰れるような勤務シフトにしているご主人が子供の面倒を見ているようです。理解があるんですね。
なお、彼女の実家は静岡県と言うこともあり、「ながしま茶園」と言うお茶屋さんです。
師匠は服部幸雄選手
長嶋万記(まき)選手のプロフィールは、1981年5月28日静岡県御前崎市生まれの39歳。
登録番号4190、身長165cm、体重50キロ、血液型AB型。A2級、91期、静岡支部所属。常葉学園菊川高等学校(現・常葉大学附属菊川高等学校)卒業。
中学・高校とバスケットボール部の2年先輩であった大瀧明日香選手(登録番号3999。83期。愛知支部属)に憧れ、後を追って競艇選手の道を選びました。
なお、彼女の師匠はSGを何度も優勝している捲り差しのパイオニア・服部幸雄選手です。また、若手の弟子には千葉真弥選手と森下愛梨選手の二人がいます。
減量に苦しむ選手生活
高校卒業後、競艇選手養成のやまと学校に入学、ハードで厳しい1年間を過ごします。
やまと学校時代の成績はリーグ勝率5.97 準優出4、優出1ですが、一番苦しかったのは減量だと話しています。
競艇選手は体重が軽い方が有利で、特に男性より女性の方がはっきり成績に現れます。ですから、減量は今でも一番苦労していることのようです。
初勝利までに半年、56走目
デビューは2002年11月12日の常滑・一般戦(5着)。
初勝利は2003年2月23日のびわこ・一般戦、56走目で水神祭を迎えました。
2005年12月17日の尼崎・女子リーグでデビュー初優出。
2007年3月1日に徳山で行われた「G1女子王座決定戦」に初出場。3月3日にはG1初勝利を上げましたが、結果は予選落ちでした。
2006年11月26日の蒲郡オール女子戦・優勝戦では優勝した鵜飼菜穂子選手を最後まで追い詰めましたが2着でした。
そして、2009年12月17日の尼崎・女子リーグでデビュー7年目にして念願の初優勝を飾りました。
結婚、出産後に実力を発揮
その後、2010年1月に結婚・入籍。7月に一年間の斡旋拒否の申請を出して産休に入りました。
復帰したのは2011年8月2日の蒲郡・女子リーグからで、一年のブランクがあったものの準優勝戦(3着)まで勝ちあがる活躍を見せました。
そして、母親になってからの彼女の活躍は目を見張るものがあり、毎年のようにG3、一般戦で優勝を飾る活躍を見せています。
長嶋選手のレーススタイルは、積極的にインを取りに行くような行動はしません。スタートタイミングは0・16ですからSGの上位選手に比べると決して早くはありません。
ただ、長嶋選手の持ち味であるハンドルさばきで上位に食い込んできます。また、女子レーサーは不利と言われているモーター整備やペラ加工も彼女は得意なようです。
最近の期別成績では勝率7.10と凄まじい勝率を誇っていて、1コースでの勝率が高いのは勿論ですが、注目すべきは2コースと4コースからの1着率が高いという点です。
ビッグレースにも毎回選出
今年のSGボートレースオールスターには男子に混じって18位で選出されています。更にレディースオールスターには大山千広選手に次いで第2位で選出されています。
因みに3位は小野生奈選手、4位は守屋美穂選手です。また、賞金女王決定戦で長嶋選手のキャッチフレーズを一般から公募したところ、母親になって更に強さを増したということから「ストロングマザー」が選ばれました。
社会貢献活動にも尽力
また、長嶋選手は、2009年から「マキプロジェクト」と言う社会貢献活動を行っています。具体的には1着を取るごとに1万円を積み立て、さらに優賞賞金の1割を加えたお金でオリジナルグッズを作成し、その売上金を社会福祉団体に寄付をするというチャリティープロジェクトです。
更に2015年2月には代表理事として一般社団法人ZEROを立ち上げ、設立時の資金も選手とファンのチャリティーイベントの資金でまかなわれています。
これは、元プロ野球選手・阪神タイガースの赤星憲広選手が、自分が盗塁を一つ決めるごとに車いすを一台寄贈する社会貢献事業をしていることを知って、長嶋選手も心を動かされたと言います。