競艇界のニューヒロイン登場
今、一番勢いがあって注目されている女子レーサーと言えば間違いなく大山千広選手でしょう。
デビュー当時から史上初の母娘レーサーとして期待されていましたが、その重圧もあってか、母親を破って初勝利を挙げるまでに1年もかかってしまいました。
しかし、母親が現役を去り一人になってからの躍進ぶりは目を見張るものがあります。
昨年、あっという間に最年少賞金女王の座を手に入れると、その勢いは今も止まりません。
大山千広(おおやまちひろ)選手のプロフィール
それでは競艇界のニューヒロイン、大山千広(おおやまちひろ)選手のプロフィールを紹介しましょう。
1996年2月5日、福岡県飯塚市生まれの24歳。身長161センチ、体重46キロ、血液型はO型。登録番号4885号、116期、福岡支部と言うのが公式データです。
母親は元競艇選手
母親は元競艇選手の大山博美さん(登録番号3317)で、2018年に引退しました。
デビュー戦は2015年5月12日の福岡競艇場で、成績は6着。初勝利を挙げたのは翌年5月1日の若松競艇場で行われたG3オールレディースJALカップで水神祭を飾りました。同じレースの1号艇は母親の博美選手でしたが、4コースから豪快な捲りで母親を沈めました。
母親の背中を見て育った子供時代
大山選手はシングルマザーだった博美選手に女手一つで育てられました。
競艇選手だった母親は各地を飛び回っていることから、幼い頃は一人で寂しい思いもしたようですが、そんな母親へのあこがれもあって、自らも競艇選手の道を選びました。
中学、高校では陸上競技に打ち込み、近畿大学付属福岡高校を卒業する際、競艇選手になりたいと母親に打ち明けましたが、その時博美さんは賛成も反対もしなかったと言います。
そして、卒業後に競艇選手の養成所である、やまと学校に入学します。
母親としては自分の背中を見て育った娘の気持ちが嬉しかった半面、厳しい世界であることは自分が一番よく知っています。
だから、進んで娘の背中を押すことが出来なかったのかもしれません。
やまと学校で訓練を受けている時、一度だけ弱音を吐いた娘から手紙が来たことがあったと言いますが、その際には娘を励まし、「自分の時はもっと厳しかった」という話をしたと言います。
初めて褒めてもらった初勝利
そして、デビューを迎えますが、初の母娘レーサーと言うこともありますが、キュートな美人と言うこともあって大きな注目を浴びます。
最初は6コースからスタートする新人を簡単に勝たせてくれる世界でなく、初勝利までに1年を要しました。
母親対決は3回ありましたが、3回目に母親を破って初勝利を挙げたレース後、普段は殆んど褒めてくれることの無い母親から「おめでとう」と言われ、とても嬉しかったと話しています。
水神祭の様子はYouTubeでも見ることが出来るので、母と一緒に水に落とされるシーンを見た方も多いと思います。
レディースチャンピオンに初出場初優勝
初優勝は2017年9月6日、福岡競艇場の「G3オールレディース」。
それまでに2度の優出を果たしていますが、2度とも失敗しています。
2018年9月19日に浜名湖競艇場で行われた「G1第5回ヤングダービー」でG1初出場します。
女子としては初の優出でしたが、6着に敗れています。
そして、2019年3月7日から福岡競艇場で開催された「SG第46回笹川賞」にファン投票第4位で選ばれ、第6位の小野生奈と共に初日12Rのドリームレースに初出場しました。
そして、2019年8月12日に蒲郡競艇場で行われた「G1第33回レディースチャンピオン」に初出場初優勝を果たしました。23歳6か月での優勝は史上最年少です。
大山千広の獲得賞金は?
デビュー当時から注目されていたものの、4年目で頂点の賞金女王を手に入れると誰が想像しただろうか?
2019年のシーズンは5600万円を稼ぎ出し、一躍ボート界のニューヒロイン、そしてアイドルレーサーという人気も手に入れました。
世間からは美人ボートレーサーと持てはやされているようですが、混合戦を見れば分かるように男子レーサーとも対等に戦える実力派でもあるのです。
賞金女王については「2度3度取って本物、皆に認められる」と慎重です。
現にレディースチャンピオンに2年連続で輝いた選手は数えるほどしかいません。
私ごとですが、私が競艇に夢中になった80年代のヒロインは当時女子王座を3連覇した鵜飼菜穂子でした。
当時はまだ3連単と言う舟券がなく、連単、連複なら鵜飼を絡めて買えば間違いないという程の実力者でした。
その後も連覇を果たしているのは寺田里江と田口節子の二人だけです。だから、今年の大山選手の活躍は本当に楽しみです。
男子に勝つこと、SG制覇が目標
あるインタビューで彼女は、「男子に勝つことが目標」と答えています。
そして、ボートレースは男子と女子が一緒にレースをして勝つことが出来る数少ない競技というところが魅力と言います。
男性と比べるとどうしても女性が劣ってしまうのは事実で、越えられない壁があると言います。
たとえ体重のアドバンテージはあってもそれが難しいことを彼女が一番よく知っています。
今までSG戦に出場した女子選手は何人もいましたが、優勝した選手は一人もいません。
昔、母親の出たレースを見ていて男の人に勝ったレースはかっこいいなと思っていたようですが、それが現実味を帯びてきたのはA級になってからだと言います。
そして、昨年レディースチャンピオンで優勝し、賞金女王になったことで「男子と戦えるスタートラインにやっと立てた」と言う彼女はすごく魅力的です。
男子を倒してSG制覇を果たすまでずっと応援を続けたくなりませんか?