この記事では、同じ香川支部に所属しており、「ヒラヒラ(平平)コンビ」とも呼ばれる2人の実力派女子レーサー、平山智加選手と平高奈菜選手についてまとめていきます!
平山選手と平高選手は年も近く、1年違いで最優秀新人に輝いています。競艇人気を引っ張っている実力派の女子レーサーです!
平山智加選手とは?
まずは、年上である平山智加(ひらやま・ちか)選手から紹介します。
平山選手のプロフィール
平山選手は、1985年7月生まれ。丸亀競艇場があり、讃岐うどんなどで知られる香川県丸亀市出身です。
身長は156cmと特別高いわけではないですが、香川の私立・英明高等学校ではバスケットボールの選手として活躍。全国大会に3回出場したそうです。
高校卒業後、競艇好きだった祖父の勧めでやまと競艇学校を受験。しかし、それまで競艇を観たことはなく、ルールどころか、どんな競技かすら全く知らなかったそうです。
やまと学校では成績優秀で、卒業記念レースでは2着に入りました。
登録期は98期(登録番号4387)。同期には西村拓也選手・船岡洋一郎選手などがいます。
2006年5月にデビューし、デビュー戦は敗れたものの、なんと2日後に初勝利。その後も新人離れした活躍を見せ、デビュー1期でB1昇格を決めました(同期トップ勝率)。
10~20年に1人の逸材と言われ、2年後の2008年には、G1初勝利・初優勝・G3初優勝を決め、2009年に女子選手として史上初の最優秀新人に選出されました。
2013年には、近松賞・開設60周年記念競走(G1)、さらには賞金女王決定戦(PG1)で優勝。この年の賞金女王に輝きました(獲得賞金は51,714,000円)。
その後、2017年、2018年と、2度の産休に入り、復帰しています。
2020年には、レディースチャンピオン(PG1)で優勝し、3度目のG1制覇を達成しました。
平山選手のエピソードなど
通算優勝回数36回(2023年2月末時点)と、輝かしい経歴を持つ平山選手。彼女の強みは、イン逃げばかりではなく、2マークや2周目からの逆転もある自在型のレーススタイルです。
2010年にG3女子リーグ第2戦で優勝(通算6度目)しましたが、この時は圧巻の11連勝で完全優勝を達成しています。優勝戦では三浦永里選手が大外6コースから前づけで2コースまで進入、深インのリスクを背負いながらもイン逃げを披露して巧さをみせつけました。
2016年のボートレースダービーでは、SGのドリーム戦で初めて女子選手が1号艇を務めるという快挙も達成しています。
平山選手は、YouTubeやInstagram、TikTok、stand.fm(ラジオアプリ)など、様々なSNSでボートレースに関する内容を発信し、競艇人気の拡大にも一役買っています。
大きなレースの際に開かれる出場選手紹介セレモニーでは、よく「ファンのため、心を込めて精いっぱい走ります!」とコメントしており、ファンを大切にする姿勢が伝わってきます。
ちなみに、114期の中村桃佳選手は、平山選手の弟子です。師匠の影響か、中村選手もまた早くから才能を開花させて実力派女子レーサーとして活躍しており、競艇界を盛り上げています。
結婚と出産
平山選手にとって、家族の存在はとても大きな原動力になっているようです。
昔は、賞金女王として恥ずかしいレースはできないという思いばかりだったのが、子供が生まれてからは、今までの実績に恥じない成績を残しつつも、一日でも長く現役でいたいという思いが強くなったそうです。
平高奈菜選手
それでは次に、平高奈菜(ひらたか・なな)選手について見ていきましょう。
平高選手のプロフィール
平高選手は1987年7月生まれで、平山選手の2歳年下です。「奈菜」の名前の由来は7月7日生まれだからとか。身長は159cmです。
愛媛県松山市出身で、松山北高等学校卒業。少女時代からスポーツ好きで、中学時代は水泳、高校時代はバドミントンをやっており、競艇で重要となる背筋や動体視力が養われたとか。
高校卒業後、やまと競艇学校に入学しましたが、目立つ成績を収めることもなく、常に落ちこぼれグループにいたようです。罰を与えられることもしばしば。
また、転覆が多いことから、転覆女王のニックネームを付けられたそうです。この時の悔しさが起爆剤になって、選手になった後の成績に繋がっているのかもしれませんね。
登録期は100期(登録番号4450)で、同期には桐生順平選手・鎌倉涼選手・川野芽唯選手などがいます。師匠は重成一人選手です。
2007年5月、丸亀競艇場の一般戦でデビューするも、デビュー戦は失格となりました。
2007年9月、一般戦でなく「G3女子リーグ第8戦 第23回渦の女王決定戦競走」で初勝利(47走目)。1号艇でしたが、新人らしくアウトの5コースからスタート。見事なまくり差しを決めて1着になりました。
2010年2月には、G1で初勝利。同年9月には初優勝を飾り、この年の最優秀新人に選出されました。2009年の平山選手に続き、2年連続で女子選手が選出されたことになります。
2011年5月の第38回笹川賞で、SG初勝利。
2020年には、クイーンズクライマックス(PG1)で優勝。この年の賞金女王となり、優秀女子選手に選ばれています。
平高選手のエピソードなど
平高選手の主な来歴は以上の通りですが、平高選手の魅力の1つは勝率の高さで、特に1コースに入った時の強さは女子では群を抜いています。
また、なんといっても男勝りなレースセンス。競艇は男女差が出にくい競技といいますが、やはり男女差は歴然とあります。しかし彼女の場合、そのレースさばきは男子選手以上のものを感じさせることがあります。
平高選手は、2022年の第49回ボートレースオールスターで優出を達成。これまでSGで優出した経験を持つ女子レーサーは4人しかいません(他の3人は、寺田知恵選手、横西奏恵選手、遠藤エミ選手)。
遠藤エミ選手は、2022年のボートレースクラシックで、女子レーサーとして競艇史上初めてSGを制覇。平高選手も決して遠い位置にいるわけではないのです。
平高選手とフライング
そんな平高選手ですが、フライングが多いという特徴があります。
順調に勝利を重ね、A1選手となっていた平高選手ですが、2018年には3度目のフライングを犯して180日のフライング休みを喰らってしまったことがあります。しかも、事故率超過でB2級への降格が確定。記念競走やグレードレースへの出場権も失ってしまいました。
2007年のデビューから、この2018年の長期欠場までの11年間、実に19回のフライングを起こしていました。
競艇のフライングは罰則が重く、レースに出られない期間が長いと、プライベートの生活にも影響してしまいます。一方、フライングを恐れて弱気になると、他艇に後れを取ってしまい、勝てなくなります。
平高選手は、その勝気な性格どおり強気に攻めていくと、どうしてもフライングが多くなってしまうため、本人も悩んでいるとのことです。
平高選手のプライベート
平高選手の趣味は映画を見ることで、オフには映画館やショッピングに出かけることが多いそうです。
ただ、チャームポイントはガチガチの眉毛(?)と言うくらいで、プライベートの服装はシックなものが多く、可愛らしいものはほとんど着ないとか。
性格は男勝りで、私服ではスカートをはいたことがないそうです。フライングで無収入になったときには引越しのバイトで生計を立てていたそうですが、これもすごいエピソードですね!
好きな食べ物はご飯とキノコ、そしてカレー。嫌いな食べ物は、ニンジンだそうです。
平山選手と平高選手とのライバル関係
平山選手と平高選手は、同じ香川支部に所属しており、年齢差も2つ。そして、同じ「平」が苗字に付くことから、いつしか「ヒラヒラ(平平)コンビ」と呼ばれるようになりました。
2人の成績などを比較してみると、以下の通りです。
(2023年2月末時点) | 平山智加選手 | 平高奈菜選手 |
誕生日 | 1985/7/13 | 1987/7/7 |
クイーンズクライマックス優勝回数 | 1回 | 1回 |
G1獲得回数 | 3回 | 1回 |
SG準優以上進出回数 | 2回 | 2回 |
SG優出回数 | 0回 | 1回 |
通算優勝回数 | 36回 | 33回 |
通算優出回数 | 142回 | 132回 |
通算1着回数 | 972回 | 1050回 |
最優秀新人賞 | 2009年(女子史上初) | 2010年(女子史上2人目) |
このように比較すると、重賞レースはもちろんのこと、一般戦の戦績も似ていることが分かりますね。
平山選手の2度にわたる産休の影響もあり、通算1000勝は2期後輩の平高選手が先に達成していますが、平山選手ももう少しのところまで来ています。
両選手ともにビジュアルもよく、この「ヒラヒラコンビ」の活躍については、スポーツ紙でもよく取り上げられています。
いずれの記事も、互いにけん制し合うバチバチのライバル関係というよりは、共に刺激し合って高め合い、香川を盛り上げている2人、といった具合に書かれており、実際そのような関係のようですね。
スポーツ紙だけではなく、オフィシャルサイトの女子専門ページにおいても、競艇人気を引っ張る2人として注目されています。
2人とも、実力のみならず人気も高く、2023年2月のレディースオールスターでは、平高選手がファン投票第3位、平山選手が第7位で選出されました。
レディースオールスターでは、残念ながら2人とも優勝戦には進めませんでしたが、今後のレースでも、香川が誇るトップ女子レーサー「ヒラヒラコンビ」の活躍は、要注目です!
※今後の女子ビッグレースの日程は以下の通りです。
- 2023/08/01~08/06:レディースチャンピオン(PG1)@津競艇場
- 2023/11/21~11/26:レディースチャレンジカップ(G2)@三国競艇場
- 2023/12/26~12/31:クイーンズクライマックス(PG1)@多摩川競艇場