デビュー時から史上初の母娘レーサーとして注目され、2019年には最年少で賞金女王の座を手にした大山千広選手。
ちなみに母親は、元競艇選手の大山博美さん(登録番号3317)です!

この記事では、「競艇界のニューヒロイン」と呼ばれる大山千広選手について、詳しく解説していきます!
大山選手のプロフィール
大山選手は1996年2月生まれ、身長161センチ。出身は福岡県飯塚市であり、所属は福岡支部です。登録期は116期で、登録番号は4885。
ファンからは、ちーちゃんなどと呼ばれて親しまれています!
師匠は、同じ福岡支部の川野芽唯選手(100期、平高奈菜選手などと同期)。
大山選手は、高校卒業後、母親の影響もあり、競艇の世界に入ることを決意。地元・福岡のボートレーサー養成所を卒業後、2015年5月に「九州プロレス杯」でデビューしました。
初の母娘レーサー、かつキュートな美人ということもあり、大きな注目を浴びましたが、新人を簡単に勝たせてくれる世界でもなく、デビューから1年ほどは勝てない時期が続きました。
そして迎えた、2016年の「熊本地震被災地支援 オールレディースJALカップ」(G3、若松競艇場)。
なんとこの試合は、母親の大山博美が1号艇で、母子対決でした!
その時の映像はこちらです。
結果は、大山選手が4カドから鮮やかな「まくり」を決め、見事に初勝利!水神祭となりました。
これまでに母子対決は3回あったそうですが、母親を破ってついに初勝利を挙げたこのレース。
普段、ほとんど褒めてくれることのない母親から「おめでとう」と言ってもらい、とても嬉しかったと大山選手は振り返っています。
母親の背中
大山選手は、シングルマザーだった博美さんに、女手一つで育てられたそうです。
博美さんは競艇選手として各地を飛び回っており、幼い頃は一人で寂しい思いもしたようです。しかし、そんな母親への憧れもあり、自らも競艇選手の道を選びました。
大山選手は、中学・高校は陸上競技に打ち込んでいましたが、高校卒業の際、競艇選手になりたいと博美さんに打ち明けたそうです。
その時、博美さんは、賛成も反対もしなかったとか。
母親の博美さんとしては、自分の背中を見て育った娘の気持ちが嬉しかった半面、厳しい世界であることは自分が一番よく知っています。そのため、進んで娘の背中を押すことができなかったのかもしれません。
ちなみに、大山選手が養成所にいるとき、一度だけ弱音を吐いた手紙が来たことがあったそうですが、その際には娘を励まし、「自分の時はもっと厳しかった」という話をしたそうです。
なお、博美さんは、2018年にレーサーとしての現役生活にピリオドを打ち、引退しました。
2019年に賞金女王を獲得
母親が現役を去り、一人になってからの大山選手の躍進ぶりは、目を見張るものがありました。
2018年9月のヤングダービーでG1初出場・初優出。11月の「オールレディース 第30回瀬戸の女王決定戦」(G3)で優勝するなど、2018年の最優秀新人に選ばれました。
翌2019年は、5月のボートレースオールスターに第4位の得票数で選ばれ、SG初出場。8月のレディースチャンピオンは初出場で史上最年少の優勝を飾りました(23歳6か月)。
結局、2019年は獲得賞金総額が5,600万円を超え、賞金女王となりました。優秀女子選手にも選ばれ、一躍ボート界のニューヒロイン、アイドルレーサーとして有名になりました!
なお、世間からは美人ボートレーサーなどともてはやされていますが、実際には大山選手は実力派のレーサーであり、特に男子に勝ちたいという思いが強い選手です。
男子に勝つことが目標
あるインタビューで大山選手は、「男子に勝つことが目標」と話していました。
ボートレースは、女子選手には体重が軽いというアドバンテージはあっても、筋力面などから男子と比べるとどうしても女子が不利。
しかし、競艇は男女が一緒に試合をして、女子が勝つことができる数少ない競技であり、そこが魅力だと語っていました。
昔、母親の出たレースを見ていて、男子に勝ったレースは恰好いいなと思っていたそうですが、自分にとってそれが現実味を帯びてきたのは、A級に上がってからだと言います。
ちなみに、2022年のボートレースクラシックでは、遠藤エミ選手が女子選手初のSG制覇を達成。
大山選手にも、近い将来にSG優勝を達成してほしいところですね!
最近の大山選手~骨折からの復帰!
2019年の大活躍を経て、迎えた翌2020年8月のレディースチャンピオン。賞金女王は「2度・3度取って、ようやく本物、皆に認められる」とのことで、レディースチャンピオンでも連覇を狙いますが、第6レースで痛恨のフライング。
大山選手は、フライング持ちでも毎レースのようにトップスタートを決める思い切りの良さがありますが、その後もたびたびフライングを起こしています。
2022年3月には、コンマ02のスリットオーバー。F2となり、60日間のフライング休みに入り、得票数が多かった5月のボートレースオールスターには出場できませんでした。
また、2022年10月、丸亀のヴィーナスシリーズ2日目のレースで、2周目1マークで他艇と接触。バランスを崩したところに後続艇が追突して落水失格。
この事故で、骨盤骨折の重傷を負ってしまい、その後はしばらくリハビリをして過ごしていました。
そんな大山選手ですが、2023年2月に開催されたレディースオールスター(蒲郡競艇場)で、4か月ぶりに復帰。ファン投票2位と、相変わらずの人気ぶりを見せつけました(1位は守屋美穂選手)。
果たしてレース勘は戻っているのか?という心配をよそに、2023年4月には山口新聞社杯争奪戦とミッドナイトボートレースで優勝(いずれも一般戦)。
今後の大山選手の活躍に期待です!!