インが有利なのに苦手な選手がいる
競艇は他の公営競技に比べてインコースが断然有利な競技であることはお分かりだと思います。ターンマークに一番近い最内の位置からターンが出来るのですから、1コースの勝率がほぼ50%あるのは誰でも理解できると思います。しかも、一度トップに立ってしまうと引き波があるので後ろから抜かれることはありません。ただ、それほど有利なインに入りながらインの弱い選手、苦手な選手が中にはいます。
競艇では一つの節で各選手に損得がないよう予選では1号艇から6号艇まで必ず入るよう番組が作られます。ですから1コースや自分の得意なコースに入った時に確実に1着を取らなければ予選のポイントを稼げません。もし、そこで躓くと準優戦に駒を進めることが出来なくなります。ただし、1着にはなれなくても技術があって、入着(2着、3着)率が高いことからポイントを稼ぎ、A1クラスになっている選手も中にはいます。
出走表だけではなく、オフィシャルサイトを見よう
レースの予想をする時に先ず見るのは出走表の選手の等級だと思います。そして、1号艇がA1選手だとすれば、ほぼ1番を頭にして買えば舟券は的中すると思うかもしれません。しかし、どうして1コースの入ったのに上手く逃げられないのだろう、入着はするのに捲られて負けてしまうのはなぜ? と思う選手がいます。
そこで、先ず予想をする際に選手の等級だけでなく、オフィシャルサイトで選手のコース別入着率(3連対率)を見てみましょう。A1選手ならば1コースの入着率は皆90%近くある筈です。ただし、中には1着率が意外に低く、50%程度の選手もいます。B級選手ならば1コースに入っても逃げられずにA級選手に捲られたり、差されてしまうのも仕方ないかもしれませんが、A級選手で9割近い入着率なのに1着になるのがその半分では3連単の軸にするには心配になってしまいます。
峰竜太選手のレース成績を検証
A1選手の中には、1コースに入れば殆んどのレースで1着に来る言う選手もいます。例えば毎年、賞金王争いで必ず名前の挙がる峰竜太選手のレース成績を見てみましょう。1コースの3連対率成績は89・5%ですが、その殆んどが1着で、2着、3着はごく僅かです。それは、1コースに入ればほぼ1着になることを意味しています。
それでは、同じ1コースに入っても勝率が50%程度の選手もいれば、峰選手のように殆んど勝てる選手がいるのでしょう? その差はいったい何処にあるのでしょうか? 選手のコース別成績表の平均スタートタイミングを見てください。明らかにその数字が違うことに気が付くと思います。峰選手は1コースで0・13、3コースの時は0・11のタイミングでスタートしています。1コースからでもダッシュ勢に負けないタイミングでスタートすることで確実にイン逃げを決めているのです。
スタートタイミングで逃げが決まる
因みにスタートでコンマ10の差が付くということは、およそ1艇身の差ということですから、コンマ05の差があるということは、スタート時に半挺身の差がついてしまうということです。特に4カドの選手がダッシュをしてギリギリのタイミングでスタートすると、インの選手が少しでも遅れれば簡単に捲られてしまうというということを意味します。そうならない様に少しでもいいスタートを切ることがイン逃げの秘訣です。
A1選手ならば、それなりにテクニックがあり、1コースに入れば入着率は高くなりますが、1着になる確率が低い選手は、スタートのタイミングが遅く、ターンの技術が低いということにもなります。これは、先ほども書きましたが、インに入った選手がどのくらいの割合で1着になったか、オフィシャルサイトを見れば直ぐに分かるので、予想の際の参考にしてください。
スタートタイミングはコンマ17が目安
更に、A1選手でなくてもインに入ると強い選手がいます。他のコースでの入着率が50%以下なのに1コースに限っては100%と言うB級選手もいます。そんな選手は確実にスタートタイミングがいい筈です。A1選手がインに入った時の平均スタートタイミングがコンマ17と言われているので、これよりも早い選手はスタートが良いということです。
このように勝率、入着率とスタートタイミングの関係はとても密接です。この点に注目すれば、インに強い選手、弱い選手がよくわかると思います。特に若手選手はインに入る機会が少ないので、インの入着率は良くないのが普通です。また、女子選手も男子選手に比べてメンタル的に劣る選手が多いので、データを見ればA1選手でも1コースの勝率が良くないことがあります。
インの弱い競艇場では特に注意する
更に、関東の戸田や関西のびわこのようにコース形状や自然環境でインの成績が良くない競艇場もあります。だから、幾らインが有利な競技だと言っても、そのような競艇場ではインの得意でない選手が1コースに入っても勝てる確率は高くはなりません。先ずは1コースに入った選手の入着率のデータ、スタートタイミングをよく見て予想してください。