競艇には、顕著な成績を収めた選手を表彰する「ゴールデンレーサー賞」という表彰制度があります。
この記事では、ゴールデンレーサー賞の歴史、表彰されるための条件、現在のゴールデンレーサー、次の候補などについて解説します!
ゴールデンレーサー賞の歴史
この制度が始まったのは、SGは2014年度、G1は2015年度から。
それ以降の成績が表彰対象となるため、それ以前から活躍していた選手のなかには、この制度の表彰を受けていない強豪選手もいます。
ですが、この制度自体が「名誉」を主体としたものであり、金銭的なメリットは無かったので、特に不満の声は聞かれませんでした。
しかし、2023年度から、ゴールデンレーサーのみを対象としたドリームレースが行われることが発表されました!
以下の条件で、年間1~2回程度の開催(2023年度は10月以降)だそうですが、1着には金40g、2着~6着には金20gが副賞として授与されるようです。
- ゴールデンレーサー6名が出場する周年競走初日のドリーム戦
- 出場するゴールデンレーサー6名のうち、いずれかの地元場
金銭的なメリットも出てきたので、ゴールデンレーサーは今後、選手たちの一つの目標とされる可能性があります!
表彰されるための条件
ちなみに、ゴールデンレーサーになるためには、以下①~③の条件すべてを満たさなければなりません。
- BOATRACE振興会会長賞メダルを24個以上授与
- GRANDE5(ボートレースクラシック、ボートレースオールスター、ボートレースメモリアル、ボートレースダービー、グランプリ)優勝戦における、BOATRACE振興会会長賞の1着から3着までのメダルを3個以上授与
- ゴールデンレーサーとして適切な品格を保ち、他の模範となっている者
①会長賞メダルを24個以上授与
1つ目の条件は、「BOATRACE振興会会長賞メダル」を24個以上授与されていること。
このメダルは、以下のレースの優勝戦に出場すると、1つ授与されます。
- GRANDE5競走(クラシック・オールスター・メモリアル・ダービー・グランプリ)
- グランドチャンピオン
- オーシャンカップ
- チャレンジカップ
- マスターズチャンピオン
- 各競艇場の周年記念開催
優勝でなく、優勝戦に出場が条件なので、少し簡単そうに思われるかもしれませんが、どのレースも最高峰であり、優勝戦出場のハードルは高いと言わざるを得ません。
このメダルを24個集めるのは、決して簡単なことではないと言えます。
②GRANDE5優勝戦の1着から3着までのメダルを3個以上授与
2つ目の条件は、GRANDE5優勝戦における、BOATRACE振興会会長賞の1着から3着までのメダルを3個以上授与されていること。
GRANDE5は、いわゆる「競艇5大レース」であり、ボートレースクラシック、ボートレースオールスター、ボートレースメモリアル、ボートレースダービー、グランプリ。
要は、これらのレースで優勝戦に進出して、3位以内に3回入らなければならないということです!
GRANDE5競走は、そもそも優勝戦に進出することが非常に難しく、更に「3位以内が3回以上」というのは、相当な強豪選手でないと達成できない条件です。
③適切な品格を保ち、他の模範となっている者
3つ目の条件は、ゴールデンレーサーとして適切な品格を保ち、他の模範となっていること。
要は、「大きな問題を起こしていないこと」と解釈して良さそうです。
マスコミで醜聞が取りざたされて世間の注目を浴びてしまった、八百長で逮捕されてしまった、などが無ければ良いようです。
ゴールデンレーサーになった選手が大きな問題を起こした場合、表彰をはく奪するために設けられている条件のようですね。
現在のゴールデンレーサー(2024年3月末現在)
前置きが長くなりましたが、2024年3月現在、13人の選手がゴールデンレーサーとして表彰されています(年度別)。
- 2019年:白井英治、峰竜太、菊地孝平、井口佳典、桐生順平
- 2020年:瓜生正義、毒島誠
- 2021年:平本真之、茅原悠紀
- 2022年:石野貴之、馬場貴也
- 2023年:篠崎元志
- 2024年:吉川元浩
制度が始まったのは2014年からですが、初の表彰者が出たのは2019年。以降、毎年数名の選手が条件を満たして表彰を受けています。
名前をみると、いずれもSG常連の強豪選手ばかりですが、それでも達成までに最短5年かかっていることを考えると、やはり①と②を満たすのは簡単ではないことが分かります。
しかし、今後、これだけ豪華なメンバーでドリームレースをやってくれるのは、ファンとしては楽しみですね!
次のゴールデンレーサー候補
なお、上記の選手一覧を見て「あれ?」と思った方もいるでしょう。
松井繁選手、山口剛選手あたりの名前が入っていないからです。
松井選手、山口選手、新田雄史選手、辻栄蔵選手、坪井康晴選手などは、①は既に24個以上保有しているのですが、②が1~2枚足りていません。今後、GRANDE5競走において優勝戦で3着以内に入れば、表彰となります。
一方、篠崎仁志選手は、②は3個保有していますが、①が足りていない状況になっています。
これらの選手は、2024年中にも新たなゴールデンレーサーになる可能性があります。
なお、引退済みの選手でいうと、通算優勝回数74回・SG10回優勝の植木道彦選手、通算優勝回数132回・SG18回優勝の野中和夫選手などは、間違いなくゴールデンレーサーになっていたと思われます!
ゴールデーンレーサー賞のように、競艇界は新しい制度を創設するのに積極的であり、そこが他の公営競技と少し違うところですね。