2023年、長嶋万記(ながしま・まき)選手は、第7回レディースオールスター、レディースチャレンジカップの、2つのG2レースを制覇しました。
常に獲得賞金の上位に入り、安定した成績を残していた長嶋選手ですが、2022年度まではG2以上のレースでは未勝利でした。2023年、ついに念願のG2タイトルを掴み、2024年の飛躍も期待されています。
そんな長嶋選手ですが、長らく社会貢献活動を行っていることでも知られています。
この記事では、長嶋選手の戦歴、10年以上続いている社会貢献活動、ついに掴んだG2タイトルまで、まとめて紹介していきます!
長嶋万記選手のプロフィール
長嶋選手は1981年5月生まれ、身長165cm。
静岡県・御前崎市出身で、常葉学園菊川高等学校(現・常葉大学附属菊川高等学校)卒業。
中学・高校とバスケットボール部に所属していましたが、チームの先輩だった大瀧明日香選手(83期、登録番号3999)に憧れて、ボートレーサーを志したそうです。
登録期は91期で、登録番号は4190。静岡支部に所属しています。
師匠は、まくり差しのパイオニア・服部幸雄選手。長嶋選手自身には、千葉真弥選手と森下愛梨選手の2人の弟子がいます。
なお、実家は静岡県出身ならでは(?)で、「ながしま茶園」と言うお茶屋さん。
座右の銘は「万事良好」、将来の夢は「みんなを笑顔にする」、大切にしていることは「自分の心を絶対に置き去りにしない」とのことです。
長嶋選手のレーススタイル
デビュー当初の長嶋選手は、アウトから豪快に突っ込むまくりを得意とする選手でしたが、近年では自慢のハンドルさばきを活かしたイン戦を得意とするスタイルに変わってきています。
積極的にインを取りに行くような行動はしませんが、前を行く艇にしぶとく食らいつき、必ず舟券に絡んでくる強さがあります。
平均STは0.17であり、SGレベルの選手と比べると特別に早くはありませんが、持ち味であるハンドルさばきで上位に食い込んできます。1コースでの勝率が高いのは勿論ですが、注目すべきは2コースと4コースからの1着率が高いという点です。
また、女子レーサーは不得意といわれているモーター整備やプロペラ加工も得意だそうです(元々、競艇のメカニックな部分が苦手だったそうですが、とことん向き合い、今はプロペラを叩くと落ち着くほどだとか)。
ちなみに、やまと学校時代から一番苦しいことは減量であり、今でも苦労しているそうです(競艇は体重が軽い方が有利であり、特に男性より女性の方がはっきり成績に現れる傾向があります)。
結婚・出産後に実力を発揮!
長嶋選手は2002年11月にデビューし、初勝利は2003年2月(56走目)。
2007年3月にG1初勝利、2009年12月の尼崎女子リーグで念願の初優勝を飾りました(デビュー7年目)。
その後、2010年1月に結婚・入籍(お相手は、オートバイメーカーに勤める一般の方とのこと)。
2010年7月、1年間の斡旋拒否の申請を出して産休に入り、2011年に長女を出産。
復帰は、2011年8月の蒲郡・女子リーグでしたが、1年のブランクをものともせず、準優勝戦(3着)まで勝ち上がりました。
以降、母親になってからの長嶋選手の活躍は目を見張るものがあり、毎年のようにG3・一般戦で優勝を飾っています(2012年後期からは常にA2以上、ほとんどがA1)。
長嶋選手のキャッチフレーズを一般公募したところ、母親になって強さを増したことから、「ストロングマザー」が選ばれました。
母親になって一番変わったことは、オンとオフのメリハリだそうです。出産前は「質よりも量」で動き続けていましたが、出産・子育てという「強制オフ」が入ることにより、オンでより集中できるようになったとか。
ちなみに競艇選手である彼女は遠征が多いため、ご主人が早めに帰れるような勤務シフトにして、子供の面倒を見ているようです。
2023年のレディースオールスターで初のG2優勝!
長嶋選手は、これまでSG戦に18回出場。優出はG1で4回あります(2024年5月時点)。
しかし、2022年度までは、G2以上で優勝したことがありませんでした。
「無冠の女王」とも呼ばれるなか、2023年2月開催の「第7回レディースオールスター」@蒲郡競艇場では、予選を2位通過(ファン投票9位で選出)。
開催場の蒲郡競艇場は、長嶋選手にとって非常に相性の良いコース(過去4回優勝しており、「ガマ嶋万記」との異名もあるほどです)。
さらにモーターの仕上がりも上々で、準優勝戦でも勝利、優勝戦の1号艇をゲット。千載一遇の初タイトル奪取のチャンスを迎えました。
なお、レディースオールスターは人気投票で出場選手が決まるため、トップクラスから若手まで様々な選手が出場します。
決勝戦は、2号艇に「まくり姫」高田ひかる選手、3号艇にクイーンズクライマックス連覇の田口節子選手、5号艇には復活の大山千広選手と、強豪ぞろいのレースとなりました。
そんな中、長嶋選手は1マークにて、高田選手のまくりをブロックしつつ、田口選手の差しを押さえる見事なターンを決めました。そのまま逃げ切り、見事に勝利!
2023年度は、その勢いを駆って、11月のG2・レディースチャレンジカップでも優勝。結局、2023年度は優勝7回(G2が2回、G3が2回)するなど、飛躍の年となりました。
社会貢献活動にも尽力
ちなみに長嶋選手は、2009年から「マキプロジェクト」という活動を開始し、レース賞金で作ったオリジナルグッズをファンに販売し、売上金で被災地支援や障害者施設へのボランティアなどを行っています。
2015年2月には、この「マキプロジェクト」を法人化して「一般社団法人ZERO」を設立。代表に就任しました。
「ZERO」では、「マキプロジェクト」に加えて、様々な社会貢献活動を行っています(こちらのページでは、長嶋選手が書いたボートレーサーの似顔絵のオリジナルグッズを販売)。
長嶋選手は、元プロ野球選手の赤星憲広選手が、盗塁を決めるごとに車椅子を1台寄贈する社会貢献活動をしていることを知って、こういった活動をやりたいと思っていたそうです。
ただ、選手としての成績が振るわず、なかなか実行できなかったとか。しかし、「やりたい」という自分の心に向き合い思い切って始めてみたところ、選手としての成績も上がり、初優勝・A級昇格を達成できたそうです!
現在、プロアスリート集団による社会貢献団体「HEROs」のアンバサダーも務めています。
今後の女子ビッグレースでも要注目!
2023年度は、初のG2以上のタイトルを手にした長嶋選手。これをきっかけに、更に強くなることは間違いありません。
2024年の活躍にも要注目です!
今年の女子のビッグレースの試合予定は以下の通りです。絶好調の長嶋選手、2024年の女子賞金ランキングでも要注目ですね!