決まり手で意外に少ない「差し」
競艇は1コースが断然有利な競技です。それは各競艇場のデータを見れば一目瞭然で、コースの形状が特殊で50%を割り込んでいるところもありますが、どのコースでも約半分が1コースの「イン逃げ」決まっています。そして、次に多い勝負の決まり手が「捲り」です。3コースや4カドからの豪快な捲りで勝つレースは見ていても気持ちが良く、舟券を獲れた時はいつまでもそのシーンが忘れられません。
そして、ターンの上手さを感じる「差し」で決まった時はまさに痛快です。先にターンした1コースのインから差しを決めて抜け出し、トップに立つシーンはとても鮮やかに見えます。ただ、そんなケースは捲りより少なく、「捲り差し」よりも更に少ない競艇場もあります。差しを決めるのは2コースがほとんどで、5コースが差しを決めることもあります。意外に多いと思われる差しですが、そうでもありません。どうしてかと言うと、それは技術があっても展開に大きく左右されるからです。
展開に左右される「差し」の決定率
2コースからの差しは、インが抜け出した直後にインを突くのが決まりです。ただし、インのスタートが遅れ、1マークでもたつくとインを差せません。その間に3コースが捲ってきて引き波に飲まれると1コース、2コースともズルズル後退してしまいます。このように2コースは1コースと3コースの動きに大きく左右されるので、咄嗟の判断と1マークの捌きが上手いか下手かで展開が大きく変わるのです。そして、上手く差せないケースが意外に多く、1コースの動向次第でレースが荒れることもあります。
2コースが差しで勝つレース
そこで、2コースが差しを決めて勝つパターンを紹介しましょう。
・1コースと殆んど同じタイミングでスタートを切ったけれど、1コースよりも2コースの技術が上だったため、2コースの差しが決まり先着するパターン。
・1コースのスタートが遅れたけれども3コースやダッシュ勢が攻めてこなかったため、慌てて先にターンした1コースのインから簡単に差して抜け出したパターン。
・1コースのスタートが良く先にターンしたが、勢いが良すぎて艇が流れてしまったため、普通にターンしただけなのに差しが決まって先着したパターン。
・1コースが実力のある選手で、スタートも決めて先行したが、3コースや4カドの艇が攻めてきたので、それを防ぐために大回りした結果、インが空いて2コースの差しが決まったパターン。
このように実力差だけでなく、2コースが差しで勝つには展開が多く左右します。たとえ実力が下位の選手でも展開が向けば、実力上位の1コースに勝つチャンスもあることが分かると思います。
2コースの差しが決まりやすい競艇場
2コースからの差しが決まりやすい競艇場をご紹介すると、関東地区では江戸川と平和島です。捲りの決定率が高い戸田や桐生では差しは少なくなります。ただ反対に、戸田や桐生で差しが決まった場合は高配当になります。そこで、2コースが1着、1コースが2着の比較的出易い「2-1」の出目を全国の競艇場で比較してみると多いのは、三国、びわこ、江戸川、唐津、津、徳山、住之江、福岡、鳴門、平和島の順になります。
中でも2-1が出易く高配当になるケースが多いのが、平和島、津、徳山、下関、福岡の5カ所です。この5つの競艇場は覚えておきましょう。また、反対に差しが決まりにくく、確率は低いけれど、来れば大穴で高配当が期待できるのが桐生、戸田、常滑、丸亀、大村の5カ所です。
5コースの差しや捲り差し
2コースが差しで勝つパターンを紹介しましたが、差しが意外に良く決まるのが5コースです。捲り差しの場合もありますが、内側の艇が全てターンし、やり合っているスキに大きく空いた1マークを全速で差して向こう正面で追いつき、2マークで先頭の艇の内を差すと言うパターンです。
例え勝てなくてもイン逃げを決めた1コースの直ぐ後に着けて二連単1-5や三連単の一角に食い込み高配当を演出することがあるのです。中でも1-5-6などの順に入ると万舟になるケースがよくあります。5コースの1着率が飛び抜けて全国一多いのが戸田競艇です。4カドや3コースが捲って勝つコースとして知られていますが、1コースの勝率が低いので、5コースが差して勝つケースもかなりあります。その場合は当然ですが万舟になります。
5コースが絡むと高配当になる
その次に多いのが平和島です。平和島では5コースばかりでなく6コースの勝率も高く、捲りは勿論ですが、全速で誰もいないインを全速で差すケースがあります。次いで、宮島、丸亀、桐生の5コースは要チェックです。反対に5コースが信頼できないワースト3が大村、唐津、三国です。大村は何と言っても1コースが強いので有名ですが、三国は2コース差しが良く決まるコースです。1コースと2コースが入れ替わるケースは7多いのですが、5コースが上位に入ることは少ないのです。
因みに三連単に5コースが絡む確率の高い競艇場ベスト5は、戸田、桐生、常滑、蒲郡、宮島の順です。中でも戸田は1コースの逃げが決まるケースが4割程度なので、1日12R中4〜5レースです。更に4コースが捲りを決めるレースが4R程度、次いで2コースの差しが決まるのが2Rくらいと言うことになります。そして、三連単に5コースが絡むと高配当になります。