地元ではセンタープールと呼ばれている尼崎競艇場。日本で唯一コースに振りがない横一直線の競艇場です。夏場の蚊の大発生と戦後の復興資金のために尼崎市が湿地帯を掘削して造ったプールのレース場で、東京の多摩川と並んで水の静かな競艇場として知られています。施行者は兵庫県尼崎市と伊丹市です。
人工池なので静かで、癖のないのが特徴。水質は淡水です。マスコットはカエルの「センプル」。アクセスは、阪神電鉄の尼崎センタープール前駅から徒歩3分。JR立花駅、阪急塚口駅から無料送迎バスが運行されます。そんな尼崎競艇場周辺をご紹介しましょう。
勝っても負けても阪神タイガース

尼崎は大阪府ではなく兵庫県ですが、大阪市に隣接する唯一の自治体で電話も06です。昔から職人の街として発達し、アーケード街がある下町気質の強い街です。近くには甲子園球場もあり、周辺は競艇というより阪神タイガース一色。競艇が終ると勝っても負けてもビールを飲みながら野球観戦です。
尼崎名物 一舟100円の「多幸焼き」

そして、尼崎競艇場のB級グルメの代表は何と言っても「多幸焼」です。たこ焼きにはタコが入っていますが、多幸焼にはコンニャクが入っています。だから人舟6個入りで100円です。場内ではこのほかにもお好み焼きやソース焼きそば、ホルモンなどが人気メニューです。値段が安いのも魅力で、ここにはまだ昭和の雰囲気が残っています。
キーワードは「ジョー」、街の人々が温かく迎えてくれます

尼崎は阪神工業地帯の中核都市で「工場が立ち並ぶ街」のイメージがありますが、明治維新までは尼崎城のある城下町で、人形浄瑠璃の近松門左衛門の墓(国の史跡)があることでも知られています。そして、平成の最後2019年に町のシンボルでもあるお城が再建されました。そんな尼崎のキーワードは、「建つんだジョー(城)、ジョー下町 尼崎」です。そのほかにも、人ジョー(人情)溢れる商店街、愛ジョー(愛情)いっぱいのご当地グルメ、ジョー熱(情熱)がぶつかるボートレースジョー(場)が、ここを訪ねる人々を迎えてくれます。
競艇ばかりでなく園田競馬も楽しめます
観光スポットは多々ありますが、ギャンブル三昧と決めている方には、近くに公営の園田競馬場があります。かつてはアラブのメッカとして有名でしたが、今はサラ系の馬が走っています。デイレースは勿論、ナイターも実施しているので、はしごには持ってこいです。阪神電車の尼崎駅や園田駅から無料送迎バスが出ています。
昭和の街並み、そして歴史の街

市内で人気なのは庶民的で昔ながらの商店街、再建された尼崎城、近松門左衛門の眠る広済寺の東に隣接し、愛用の机をはじめ近松ゆかりの貴重な品100点余りが展示されている「近松記念館」などのほか、11カ所の寺院が集まる寺町も趣があります。
貯金箱博物館と尼信会館
また、ちょっと興味をそそられるのが「世界の貯金箱博物館」(阪神尼崎駅から徒歩5分)です。世界64か国から集めた今や昔の貯金箱13000点が展示されている珍しいユニークな博物館です。また、直ぐ近くの場所に尼信会館(尼崎信用金庫博物館)があります。尼崎城復元模型や藩札や刀剣、甲冑などを展示するほか、記念コインなどを展示するコインミュージアムでもあります。
ダウンタウンの二人や阪神の村山、江夏の出身地
尼崎にゆかりのある企業は尼崎紡績を前身とするユニチカの登記上の本店「ユニチカ記念館」が市内にあります。また、芸能界ではダウンタウンの浜田雅功さん、松本人志さんが尼崎出身。また、スポーツ界では、野球選手がとても多く、阪神タイガースで活躍した村山実、江夏豊の両投手がご当地の出身です。
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