
最近、ニュースを賑わせているオンラインカジノ問題。
スポーツ選手などが話題になりがちですが、スマホなどで手軽にアクセスできるため、違法な「賭博」と認識せずに手を出してしまう人が結構いるようです。
ちなみに、競艇もTELEBOAT(テレボート)で簡単にネット投票できますが、こちらは違法ではないのでしょうか・・・?

この記事では、オンラインカジノは違法な「賭博」なのに、なぜ競艇は大丈夫なのかについて、じっくり解説していきます!
賭博罪とは?

まずは、「賭博」とは何かについて説明します。
「賭博」は犯罪と耳にしたことがあると思いますが、こちらは刑法185条に規定があります。
「賭博」とは、2人以上が「偶然の勝敗」により、「財物の得喪」を争う行為だそうです。
- 「偶然の勝敗」とは、参加者が勝敗を確実に予見できない状態(参加者が勝敗を自由に操れるような場合は、これに当たらないようです)
- 「財物の得喪」とは、勝者が財産を得て、敗者は財産を失うこと
賭け麻雀やポーカーなどは分かりやすいですし、オンラインカジノもこれに当たります。
但し書きの「一時の娯楽に供する物」は、娯楽のためすぐに消費するようなもので、お菓子やタバコ、ジュースなどが想定されているようです。
注意すべきは、現金や暗号資産などは少額でもNGであること。
ちなみに、刑法186条には常習賭博罪という、賭博行為の常習犯に対する規定があり、より重い刑が定められています。
競艇はなぜ認められているの?

「賭博」は犯罪であると書きましたが、例外的に、「賭博」が認められる場合もあります。
競艇、競馬、競輪、オートレース、宝くじなどは、特別な法律によって運営が認められており、合法とされているのです!

例えば競艇の場合は、モーターボート競走法という特別な法律が定められています!
競艇も、偶然の要素が加わって勝敗を決めるもので、「賭博」の要素があるものの、総務省に指定された施行者により行われ、国土交通省がきっちり監督する仕組みになっています。
つまり、国が定めた法律によって管理され、公正に運営されているものだから、法的規制も行われていない違法な「賭博」とは明確に区別されているということです。
なお、きちんと法律によって管理されているもの以外の「賭博」は、すべて犯罪となります。
オンラインカジノは絶対NG!

オンラインカジノは、スマホやPCからアクセスし、サイト内のゲームやスポーツの勝敗等に、現金や暗号資産、換金できるポイントなどを賭ける形式になっています。
サイトに入金して、お金を賭けてゲームをしたり予想をしたりして、勝ったらお金が引き出せるという仕組みですね。
オンラインカジノの多くは、海外のどこかの国でライセンスを取得し、その国では合法なものとして運営されており、日本語対応のサイトも多くあるようです。
オンラインカジノは、サイト内のゲームの「偶然の勝敗」により「財物の得喪」を争うため、「賭博」に該当します。
スマホ等を操作している場所が日本国内であれば国内犯となり、日本での犯罪として処罰されます。これは、サイトが海外で運営されていても関係ありません。
ちなみに、利用者は違法と知らなくても許されず、賭博罪に問われます。
日本国内からオンラインカジノに参加するためには、日本円を海外サイトにつなぐ、違法な決済手段が必要となります。
利用者は、サイトの指定口座に入金しているつもりになっていますが、知らないうちに違法な決済代行業者を通しており、自分の個人情報を渡している可能性があります。
この業者は、入金された収益を海外へ流し、犯罪資金などになるケースもあるようです。
こちらの警察庁の発表によると、国内のオンラインカジノの推定利用者数は約196.7万人、経験者は約336.9万人で、そのうち約4割は違法性の認識がなかったそうです。
オンラインカジノは、違法であるにもかかわらず、これだけ広がっているという現状のようです・・・

さらに、これだけの国民の財産が、日本国外に流出しているということでもあります。競艇に乗り換えて、日本国内でお金を回しましょう!
オンラインカジノとギャンブル依存症

以上をまとめると、オンラインカジノの利用には、以下のようなリスクがあります。
まず、上記の通り、オンラインカジノに手を出すと「賭博」となり、刑事罰の対象となる可能性があります。
更に、違法な決済代行業者を通じて個人情報やクレジットカード情報が流出する可能性があり、詐欺などに悪用される危険があります。
また、これは公営競技も同じですが、はまりすぎるとギャンブル依存症になる可能性もあります。
ギャンブル依存症とは?
ギャンブル依存症とは、ギャンブルをやめたくてもやめられない状態を言います。
ギャンブルのことが頭から離れなくなり、仕事中も食事中も寝る前も、ギャンブルのことばかり考えてしまうような状態になると言われています。
嘘をついたり、莫大な借金をしたり、ギャンブルしていることを隠す行為は、ギャンブル依存症のよくある症状のようです。
ギャンブル依存症になると、自分はギャンブルに勝つ才能がある、ある行動・儀式や迷信、偶然の出来事などに従うと勝てる、などの錯覚に陥ることが多いとか。
負けが続いていても「勝ちが近い」と逆に解釈し、過去に勝ったこと(大勝ちしたこと)のみ思い出して、負けたことを思い出さなくなるそうです・・・
ちなみに、オンラインでできるギャンブルは、ギャンブル依存症につながりやすいと言われています。
一つには、時間や場所などを選ばず、手元のスマホでいつでもどこでも簡単に賭けができること。
さらには、実際にお金を賭けている感覚が乏しくなるため、多額の借金を抱える傾向があると言われています。。

オンラインで手軽に舟券が買えるという点では、合法である競艇にも当てはまることなので注意しましょう!
ギャンブル依存症になると、家族や人間関係よりもギャンブルを優先するため、周囲との衝突が増えたり、生活リズムや体調を崩したり、お金を使いすぎたりと、様々な問題が発生します。
ただ、依存症は慢性疾患の一種であり、回復可能です。周囲の助けを借りつつギャンブルから離れ、問題のない社会生活を再び営むことができると言われています。
相談窓口としては、依存症対策全国センター、警察相談専用電話(#9110)などが用意されています。
競艇も、ギャンブル依存症になるほどにはのめりこまず、余裕資金の範囲内で健全に楽しむだけにしましょうね!

