「マスターズチャンピオン」は、ベテラン選手のみで争われるレースで、プレミアムG1(PG1)の1つです!
2025年は、4月22日(火)〜4月27日(日)にかけて、「ボートレース桐生」で開催中です!

この記事では、マスターズチャンピオンのレース概要や過去の優勝者、直近開催の結果などをご紹介します。
マスターズチャンピオンとは
マスターズチャンピオンは、別名「競艇名人戦」と言いますが、かつては「名人戦競走」と呼ばれていました。
2014年に「マスターズチャンピオン」という通称になり、格付けもPG1になりました。
このレースの一番の特徴は「一定年齢以上でないと出場できない」という点。
「一定年齢以上」は、当初は50歳以上でしたが、現在では「当年の4月1日時点で45歳以上」となっています。
競艇選手は19歳~23歳くらいでデビューする人が多いので、このレースの出場選手は選手経験20年以上という選手がほとんどということになりますね!
この年齢要件に加えて、勝率上位の選手だけが出場することができるため、まさにベテラン同士のいぶし銀の走り、熟練の技を競い合う大会と言って良いでしょう。
出場者は52名で、出場資格は、前年優勝者のほか、当年の4月1日時点で満45歳以上のマスターズリーグ優勝者、前年2月1日~当年1月31日の間に140走以上した選手の勝率上位者、さらに施行者希望選手(2名)。
そのため、B1級であっても上位勝率であれば出場可能です。また性別も関係ないので、女性レーサーでも条件を満たせば出場できます(過去、鵜飼菜穂子選手、日高逸子選手などが出場)。
優勝賞金は1,300万円(2024年度から)と高額ですので、ベテラン選手にとっては格好の目標となっているレースです。
長年の競艇ファンにとっては、往年の名選手の名前がずらりと並びますので、非常に人気の高いレースでもあります。
2000年の第1回「名人戦競走」では、ファンファーレは昔のものを使用、以前行われていた「選手コール」も実施されるなど、ノスタルジックな雰囲気を高める演出がされ、ファンを喜ばせました。
競艇選手は選手寿命が長い
競艇選手は、他のプロスポーツ選手と比べて選手寿命が長いと言われています。40代・50代で「まだまだバリバリ現役」という選手が沢山います。

ちなみに、競艇選手は、3年に1度のライセンス更新のとき、健康診断を受けることが義務づけられています。そこで「裸眼視力が両眼とも0.5以上」「血圧が150/90以下」などの基準をクリアできないと、強制的に引退させられてしまいます。
メガネの競艇選手がいないのは、選手は全員この健康診断をクリアしているからなのです。しかしそう簡単なことではなく、加齢に伴い基準がクリアできなくなり、引退する選手は多いと言います。
45歳以上で選手を続けられており、かつ高い勝率を維持している、そんな特別なベテラン選手だけを集めて行われるのが、このマスターズチャンピオンなのです!
過去5年の開催
マスターズチャンピオンの過去5年の開催レース場と優勝者は以下の通りです。
開催回 | 開催レース場 | 優勝者 | (年齢) |
2024年(第25回) | ボートレース鳴門 | 菊地孝平 | 45 |
2023年(第24回) | ボートレース若松 | 井口佳典 | 45 |
2022年(第23回) | ボートレース三国 | 上平真二 | 48 |
2021年(第22回) | ボートレース下関 | 原田幸哉 | 45 |
2020年(第21回) | ボートレース津 | 村田修次 | 46 |
マスターズチャンピオンは45歳以上という年齢制限がありますが、過去5年の結果を見てみると、優勝者は40代の選手ばかりです。
出場条件を満たす選手でも、やはり勝率上位者は40代が多く、必然的に40代の選手の母数が多くなっています。
やはり人間は加齢により身体能力が落ちていくため、同程度の力量の選手ならやはり年齢が若い方が有利です。40代と、50代~60代の選手では、やはり身体能力が違ってきます。
また別の要因として、年齢を重ねると代謝が衰えるため、段々と減量して体重を調整することが難しくなります。
かのモンスター・野中和夫選手は65歳まで現役でしたが、「齢を重ねて減量ができなくなった」と引退。なお野中氏は空手が全国大会レベルの腕前であり、若い頃から人一倍身体を鍛えていました。
出場資格に、施行者側が呼びたい選手を2名「施行者希望枠」として指名できますが、なかなか優勝戦にまでは進めていないようです。
2024年(第25回)の優勝は菊地孝平選手!
2024年に開催された第25回マスターズチャンピオンの優勝者は、菊地孝平選手でした。
菊池選手は予選をトップ通過して1号艇。優勝戦のメンバーは次の通りでした。
- 菊地孝平
- 寺田祥
- 吉川元浩
- 谷村一哉
- 松井繁
- 赤岩善生
進入は5号艇・松井繁選手、6号艇・赤岩善生選手が前づけを行い、156/234。
レースは、菊地選手がコンマ02のトップスタートを決め、そのまま独走。2着には6号艇・赤岩選手がつけましたが、3着争いは最後までもつれ、最終的には2号艇・寺田選手が滑り込みました。
菊地選手はインタビューで、「(2023年の)井口佳典選手の優勝を見て格好良かったので嬉しいです!」とコメントしていました。
2025年(第26回)の見どころについて
2025年のマスターズチャンピオンは、ボートレース桐生で開催されます。
春の桐生競艇場といえば、通称「赤城おろし」と言われる強風が吹く、荒れたコンディションになることが多いことで有名です。
もっとも、インでも波に乗り上げてしまうと、いわゆる「キャビって」遅れてしまい抜かれてしまうので、波に対する巧拙が重要になってきます。
波巧者は、波が起きやすい桐生競艇場、また江戸川競艇場を練習場としている選手に多いと言われています。
今開催は予想以上に地元有利と言えるでしょう。
4/27(日)優勝戦
4/26(日)に開催される優勝戦は、以下のメンバーで争われます。
- 森高 一真
- 中辻 崇人
- 石渡 鉄兵
- 湯川 浩司
- 萩原 秀人
- 井口 佳典
優勝戦ポールポジションを手にしたのは、予選勝率トップで準優戦も無難に逃げ切った森高選手です。
2号艇には注目の中辻選手、3号艇には福岡の周年記念で優勝して波に乗っている石渡選手。6号艇には2年前の覇者である井口選手が控えています。
今期勝率からみた注目選手
それでは、まずは今期勝率の高い順に出場選手を並べてみましょう。
勝率トップは中辻崇人選手ですが、あれ?と思う方も多いでしょう。
中辻選手と言えば、「一般戦の鬼」と呼ばれ、グレードレースは斡旋拒否をしていることで有名だからです。
正確には、中辻選手はPG1・SGを斡旋拒否しているので、G1開催はぎりぎりOKのようです。彼は先日のボートレースクラシックも出場権を持っていたのですが、斡旋拒否で出場しませんでした。
なぜ斡旋拒否をしているのか本人が明かしておらず不明ですが、重賞制覇を目標としていないことだけは事実です。
ですが、実力は折り紙付きの選手です。いくら一般戦ばかりとはいえ、8.28という勝率はそう簡単に残せるものではないからです。
そんな中辻選手ですが、桐生はやや苦手らしく、6.70という勝率です。しかし、難水面の桐生競艇場では実力選手でも少なからず勝率を下げてしまうのが通常なので、やはり注目選手でしょう。
勝率2位は池田浩二選手。勝率は相変わらず凄いですが、今年はまだ一般戦での優勝1回だけであり、思い通りのレースができていない印象です。
2009年~2011年が池田選手の全盛期だったという説もありますが、勝率8点台を維持し続けているのをみると、とても全盛期を過ぎたとは言えません。
池田選手は愛知支部ですが、愛知支部と(桐生競艇場のある)群馬支部は交流も多く、池田選手も桐生で練習をすることもあるようです。桐生での勝率もそこそこあり、今回は狙える開催かもしれません。
勝率3位の笠原亮選手にも注目です。笠原選手は今年45歳で、マスターズの出場権利を今年から得た選手ですが、2005年の総理杯・2015年のチャレンジカップを制しているタイトルホルダーです。
2020年に浜名湖で接触事故による顔面骨折という重症を負い、1年2か月の休養を余儀なくされ、一時は左目の視力が無くなってしまったそうです。
必死のリハビリを経て、2021年にレースに復帰。翌月には早々に優勝も果たした選手で、中島孝平選手が同期です。
こういった大けがから復帰した選手は、それだけで並の選手ではないと言えますし、今期は調子が相当に良さそうなので注目です。
中々に曲者が揃った勝率上位選手ですので、面白い開催になりそうです。
桐生での勝率からみた注目選手
桐生のような難水面と言われる競艇場では、普段よりも場別勝率を気にする必要があります。
次に、桐生での勝率順に出場選手を並べてみましょう。
トップは群馬支部のドン・江口晃生選手。普段の勝率より0.6以上も上乗せしており、桐生は大得意であることが分かります。
勝率も今期は前期を上回っており、調子が良いようなので、明確に優勝狙いでしょう。やる気十分とみて間違いありません。
2位・瓜生正義選手会長は福岡支部ですが、何故か桐生は得意なようです。どの場でも通算勝率が高いレジェンド松井繁選手よりも高いというのは、ちょっと面白いかもしれません。
4位の平田忠則選手、5位の今垣光太郎選手、6位の徳増秀樹選手は、いずれも今期勝率が前期勝率を上回っており、かつ桐生での勝率も高いので、予選では相当にやってくれそうです。
7位の寺田千恵選手も、岡山支部ながら桐生では好成績を残しており、桐生は得意だと思われます。ですが、松井繁選手と同じく、今期は6点台と調子が良いとは言えないのが難点です。
足元の調子からみた注目選手
マスターズはベテラン選手だけが出場してきますが、20年以上も競艇選手をしていると、どうしても調子の良い期・悪い期が出てしまうものです。

例えば、モーター抽選のような運次第のものでも、調子の良い時は良いモーターが引けてしまうものです・・・
そこで、今期勝率から前期勝率を引いた数値が高い順に、出場選手を並べてみました。
ここでも笠原亮選手がトップに出てきます。前期から1.20もプラスしているので、今期は絶好調とみて間違いありません!
また、2位の古結宏選手、3位の辻栄蔵選手も、今期は相当に調子が良いようですので、予選では気を付けるべき存在だと言えるでしょう。
また、この表で桐生勝率も高い辻栄三選手・徳増秀樹選手・原田幸哉選手は、さらにイチオシと言って良いかと思います。モーターさえよければ準優までは来る可能性は高そうです!
桐生のモーター
桐生競艇場のモーターは、すでに50~60走しており、個体差が出始める頃です。
では、2連対率でベスト12をご紹介しましょう。
表を見て頂ければ分かる通り、2連対率50%超えのモーターが6台もあります。
なかでも、30号機(三嶌誠司選手)・51号機(古結宏選手)・36号機(太田和美選手)・52号機(市橋卓士選手)・45号機(杉山選手正樹)は直近の実績が抜群。
16号機は前回使用者の守屋美穂選手が優勝したモーターですが、注目の中辻選手が引いています。
この辺りは超抜クラスと言って良いでしょう。
モーター抽選では、これらの上位機が引けたかどうかが大きなカギとなりそうです。
これだけ超抜クラスのモーターが多いと、逆にダメなモーターも多くなります。つまり、桐生のモーターは個体差が激しいと言えるでしょう。
今開催は、モーターの良し悪しがレースのカギを握っていると言っても過言ではありません。前検では誰がどのモーターを引いたか、しっかり確認しておきましょう。
初日ドリーム戦の結果
4/22(火)12Rに開催されるドリーム戦は、以下のメンバーで争われました。
- 池田 浩二
- 中辻 崇人
- 今垣 光太郎
- 守田 俊介
- 吉川 元浩
- 松井 繁
結果は1-6-2と、選考期間トップ勝率の1号艇・池田選手がイン逃げ。2着には6号艇からレジェンド松井選手、3着には注目の中辻選手が入りました。3連単は¥2,690でした。

難水面、モーターの個体差がある桐生では、地元勝率とモーター2連対率で上位の選手が狙い目です。滅多に顔を見せない中辻選手も出てくるなど、予想以上に面白い開催になりそうですね!