「マスターズチャンピオン」は、ベテラン選手のみで争われるレースで、プレミアムG1(PG1)の1つです!
2023年は、4月18日(火)〜4月23日(日)に「ボートレース若松」で開催されました。

この記事では、マスターズチャンピオンのレース概要や過去の優勝者、直近の優勝者・レース結果などをご紹介します。
マスターズチャンピオンとは
マスターズチャンピオンは、別名「競艇名人戦」と言いますが、このレースの一番の特徴は「一定年齢以上でないと出場できない」という点。
「一定年齢以上」は、当初は50歳以上でしたが、現在では「当年の4月1日時点で45歳以上」となっています。
競艇選手は19歳~23歳くらいでデビューする人が多いので、このレースの出場選手は選手経験20年以上という選手がほとんどということになりますね!
この年齢要件に加えて、勝率上位の選手だけが出場することができるため、まさに熟練の技を競い合う大会と言って良いでしょう。
出場者は52名で、前年優勝者のほか、当年の4月1日時点で満45歳以上のマスターズリーグ優勝者、前年2月1日~当年1月31日の間に140走以上した選手の勝率上位者、さらに施行者希望選手が出場できます。
そのため、B1級であっても上位勝率であれば出場可能です。また性別も関係ないので、女性レーサーでも条件を満たせば出場できます(過去、鵜飼菜穂子選手、日高逸子選手などが出場)。
当初は「名人戦競走」と呼ばれていましたが、2014年に「マスターズチャンピオン」という通称になり、格付けもPG1になりました。
優勝賞金は1,200万円(2023年度から)と高額ですので、ベテラン選手にとっては格好の目標となっているレースです。
長年の競艇ファンにとっては、往年の名選手の名前がずらりと並びますので、非常に人気の高いレースでもあります。
2000年の第1回「名人戦競走」では、ファンファーレは昔のものを使用、以前行われていた「選手コール」も実施されるなど、ノスタルジックな雰囲気を高める演出がされ、ファンを喜ばせました。
競艇選手は選手寿命が長い!?
競艇選手は、他のプロスポーツ選手と比べて選手寿命が長いと言われています。40代・50代で「まだまだバリバリ現役」という選手が沢山います。
競艇における最年長選手は高塚清一選手ですが、2023年3月になんと76歳になりました(登録期はなんと20期!)。
ちなみに、競艇選手は、3年に1度のライセンス更新のとき、健康診断を受けることが義務づけられています。そこで「裸眼視力が両眼とも0.5以上」「血圧が150/90以下」などの基準をクリアできないと、強制的に引退させられてしまいます。
メガネの競艇選手がいないのは、選手は全員この健康診断をクリアしているからなのです。しかしそう簡単なことではなく、加齢に伴い基準がクリアできなくなり、引退する選手は多いと言います。
45歳以上で選手を続けられており、かつ高い勝率を維持している、そんな特別なベテラン選手だけを集めて行われるのが、このマスターズチャンピオンなのです!
過去5年の開催
マスターズチャンピオンの過去5年の開催レース場と優勝者は以下の通りです。
開催回 | 開催レース場 | 優勝者 | (年齢) |
2023年(第24回) | ボートレース若松 | 井口佳典 | 45 |
2022年(第23回) | ボートレース三国 | 上平真二 | 48 |
2021年(第22回) | ボートレース下関 | 原田幸哉 | 45 |
2020年(第21回) | ボートレース津 | 村田修次 | 46 |
2019年(第20回) | ボートレース宮島 | 今垣光太郎 | 49 |
マスターズチャンピオンは45歳以上という年齢制限がありますが、過去5年の結果を見てみると、優勝者は40代の選手ばかりです。出場条件を満たす選手でも、やはり勝率上位者は40代が多く、必然的に40代の選手の母数が多くなっています。
やはり人間は加齢により身体能力が落ちていくため、同程度の力量の選手ならやはり年齢が若い方が有利です。40代と、50代~60代の選手では、やはり身体能力が違ってきます。
また別の要因として、年齢を重ねると代謝が衰えるため、段々と減量して体重を調整することが難しくなります。
かのモンスター・野中和夫選手も、「齢を重ねて減量ができなくなった」と引退しましたが、野中選手は空手が全国大会レベルの腕前であり、若い頃から人一倍身体を鍛えていました。彼は65歳まで現役でしたが、普通の選手は50代で限界が来てもおかしくありません。
なお、施行者側が呼びたい選手を2名「施行者希望枠」として指名することができるようになっていますが、なかなか優勝戦にまでは進めていないようです。
2023年の開催(第24回)
マスターズチャンピオンは2023年で24回目の開催となり、2023年4月18日(火)~23日(日)にかけて、ボートレース若松にて開催されました。
優勝は井口佳典選手!
第24回マスターズチャンピオンの優勝者は、井口佳典選手でした!
本開催、初日4/18の12Rに行われたドリーム戦は以下の面子で争われましたが、結果は4-6-3。
- 今垣光太郎
- 松井繁
- 赤岩善生
- 井口佳典
- 石渡鉄兵
- 瓜生正義
強い向かい風につき安定板を使用したレースでしたが、4号艇・井口佳典選手が見事なまくりで勝利。
実は、井口選手はモーター抽選において、2連対率が一番高い40号機(48.3%)を引き当てていました。ドリーム戦に勝利した勢いを駆って、そのまま得点率トップで予選通過。
そして迎えた4/23優勝戦、メンバーは下記の通りでした。
- 井口佳典
- 浜野谷憲吾
- 中澤和志
- 魚谷智之
- 瓜生正義
- 今垣光太郎
1号艇から出走した井口選手ですが、コンマ16のトップスタートを決め、1周2マークを先取りしてそのままイン逃げで勝利!(結果は3連単で1-5-2、2,310円の11番人気)
なお、2019年の本大会ウィナーの今垣光太郎選手は、2022年大会で優勝戦1号艇からの無念の敗北から雪辱を期しましたが、6号艇からの6着でした。
優勝した井口選手は、2023年4月1日で満45歳であり、本大会は初出場。ちなみに、1999年にデビューの「銀河系軍団」と呼ばれる85期の出身です(山本隆幸選手・田村隆信選手なども今回のマスターズチャンピオンから初出場)。
井口選手はゴールデンレーサーの一人ですが、優勝後のインタビューでは、「名人の称号なんてめっそうもない!ド新人ですから!!」とコメントしていました。

「銀河系軍団」出身の井口選手が優勝!登録番号4,000番台初のマスターズチャンピオン覇者となりました!