
競艇界のトップ選手を決める賞金王決定戦競走(グランプリ)は、ボートレース界の最高のレースで、優勝賞金も桁違いです。
ボートレーサーの誰もが優勝を目標とするレースですが、出場できる選手は、たったの18名だけ。
2025年は、12月16日(火)~12月21日(日)にかけて、「ボートレース住之江」で開催されました。

この記事では、賞金王決定戦競走(グランプリ)のレース概要や過去の優勝者、直近の優勝者・レース結果などをご紹介します(併催のグランプリシリーズについては、下の記事をご覧ください)。

グランプリとは
グランプリは、その年に多く賞金を稼いだ最上位のボートレーサー達による、ボートレース界最高のSG競走です。
グランプリの出場資格
グランプリは、1月1日~11月開催のSG・チャレンジカップ最終日までの、獲得賞金ランキング上位18名の選手が出場できます。

19位~60位の選手は、同時開催のSGレース・グランプリシリーズの方に出場することになります。
ただし、賞金ランキングに関わらず出場できないケースがあるほか、前年や開催年のレース内容によっては、選出除外されることもあります。
出場できない選手
- フライング休みが開催期間(前検日を含む)とかぶっている選手
- 褒賞懲戒規定による出場停止処分を受けている選手
- 負傷や病気により辞退した選手
選出から除外される選手
- 前年のグランプリ~開催年のチャレンジカップのSG優勝戦で、選手責任によるスタート事故を起こした選手
- 開催年のオーシャンカップ~チャレンジカップのSG準優勝戦で、選手責任によるスタート事故を起こした選手
ただし、グランプリ出場権のある賞金ランキング上位18名に関しては、下記の罰則からは除かれています。
- SG競走の準優勝戦におけるスタート事故者への罰則
- SG競走の優勝戦におけるスタート事故者への罰則
特例で出場できる選手
- フライング休みが開催期間(前検日を含む)とかぶっていても、選考期間内における獲得賞金ランキングが21位以内の選手
開催日程
グランプリは、毎年12月の10~20日のどこかを初日に、合計で6日間行われます。
ボートレース住之江で行われることが多いですが、平和島でも開催されます(2022年には大村、また過去には福岡や戸田で開催されたことも)。
スケジュールとしては、出場する18名で、「トライアル戦」(1st・2nd)を戦い、最終日の12レースに行われる優勝戦に進出する6名を決定します。
初日~2日目:トライアル1st
トライアル1stとして、賞金ランキング7~18位の12名が走り、得点率上位6名がトライアル2ndへと進みます。
トライアル1stの2日間では、出場選手は1人当たり2回出走し、その結果で得点率を計算して、上位6名が2ndに進出します( 1着=14点、2着=12点、3着=11点、4着=9点、5着=8点、6着=7点)。
短期決戦であり、1着を1回でも取れば高確率で2ndに進めます。逆に、4着以下を取ってしまったらかなり厳しい戦いになります。
3日目~5日目:トライアル2nd
トライアル2ndとして、獲得賞金ランキング1~6位の6名と、トライアル1stの上位6名を合わせた計12名の選手が3レースずつ走り、得点率上位6名が最終日の優勝戦へと進みます。
得点計算は1着=10点、2着=9点、3着=7点、4着=6点、5着=5点、6着=4点です。
6日目:優勝戦
トライアル2ndの上位6名で、12レース目に優勝戦を行います。
また、トライアル2ndの下位6名による順位決定戦も同日に行われます。

詳しくはこちらの図が分かりやすいです。
グランプリの着順別の賞金額(2025年度)
グランプリの優勝賞金は、なんと1億1,000万円!
この金額は、競輪グランプリの1億4,600万円に次ぐ高額です(ちなみに、1億円を超える大台の賞金額を設けたのは競艇が先で、ギネス認定されています)。
| 着順 | 優勝戦 | 順位決定戦 |
|---|---|---|
| 1着 | 1億1,000万円 | 1,910万円 |
| 2着 | 4,900万円 | 1,160万円 |
| 3着 | 3,500万円 | 850万円 |
| 4着 | 2,600万円 | 600万円 |
| 5着 | 2,400万円 | 500万円 |
| 6着 | 2,200万円 | 420万円 |
ちなみに、トライアル1st・トライアル2ndの賞金額は下表の通りです。
| 着順 | トライアル1st | トライアル2nd |
|---|---|---|
| 1着 | 70万円 | 81万円 |
| 2着 | 54万円 | 64万円 |
| 3着 | 43万円 | 52万円 |
| 4着 | 35万円 | 45万円 |
| 5着 | 31万円 | 42万円 |
| 6着 | 28万円 | 40万円 |
グランプリの特徴
グランプリは、全ボートレーサーが目標とする最高峰のレースだけに、通常のレースとは異なる様々な特徴があります。
①グランプリでは「前づけ」に注意
グランプリの開催が多い住之江はイン有利の競艇場(水質が硬いため鋭角的なターンがやりづらい、追い風が吹くことが多いため「まくり」もやりにくいという特徴)。
そのため、過去のグランプリ優勝戦を見ると分かりますが、グランプリでは「前づけ」がよく行われます。普通のレースのように「当然に枠なり進入」ではありません。
少しでも有利な位置を取るべく、待機行動の段階から熾烈な争いが繰り広げられます。
この傾向は、住之江で固定開催されていた賞金王決定戦の時代からですが、当時は待機行動の制限が緩かったこともあり、6号艇が「前づけ」で1コースを取ったこともありました。
しかし、現行の厳しいルールでは、いくら「前づけ」しても、せいぜい2コースまで。
1コースは1号艇でほぼ決まりとみて良いため、予選で好成績を収めて優勝戦の1号艇を狙うことが、何よりグランプリ制覇への近道となります。
そのため、グランプリでは予選から「SGの優勝戦以上」の熾烈な位置争いが繰り広げられるわけです。
普段はダンプなどしない選手でも、グランプリとなると話は別。道中で順位が入れ替わることもよくあります。
普段のレースと同じように考えるのではなく、しっかりスタート練習を見ておきましょう。
なお、スタート練習時の位置を守らなければならない決まりは無いので、本番で意外な展開になるケースもあります。5号艇・6号艇が本番でどう動くか要注目です。
②グランプリ初出場で優勝した選手はゼロ
第1回目の彦坂郁夫選手はノーカウントですが、第2回目以降の開催で、グランプリ初出場で優勝した選手は一人もいません。
これは、グランプリの独特の雰囲気が原因と言われています。

全レースがSG決勝戦以上の大接戦で、ものすごく消耗する

SG優勝戦だって緊張します。ですが、グランプリの緊張感は、それとは違う独特のものです。なんというか、前検日からプレッシャーを感じるとでもいいますか・・・
初出場の選手が勝てないのは、このグランプリ独特のプレッシャーと、他の選手の普段とは異なる強烈な気合や闘志を初めて経験するからのようです。
このような状況で、競艇界の最高峰の強者達を相手に戦うわけですから、厳しい戦いになるのも仕方がないのかもしれません。
過去5年の優勝者
グランプリは2025年で40回目の開催となり、過去5年の優勝者は以下の通りです。
| 開催回 | 開催レース場 | 優勝者 |
| 2025年(第40回) | ボートレース住之江 | 桐生順平 |
| 2024年(第39回) | ボートレース住之江 | 毒島誠 |
| 2023年(第38回) | ボートレース住之江 | 石野貴之 |
| 2022年(第37回) | ボートレース大村 | 白井英治 |
| 2021年(第36回) | ボートレース住之江 | 瓜生正義 |
参考:https://www.boatrace.jp/owpc/pc/data/record/list?category=1500
2025年(第40回)の優勝は桐生順平選手!

2025年、自身2度目のグランプリ優勝を決めて、黄金のヘルメットを手にしたのは、埼玉支部の39歳・桐生順平選手(登録期100、登録番号4444)でした!
第40回グランプリは12月16日(火)に始まり、トライアル1st・トライアル2ndを経て、12/21(日)の優勝戦にコマを進めたのは以下の6名でした(トライアルの経緯は後述)。
- 桐生順平
- 関浩哉
- 西山貴浩
- 上條暢嵩
- 茅原悠紀
- 馬場貴也
結果としては、1号艇の桐生選手がインからトップスタートを決めて先頭に立ち、そのまま危なげなく逃げ切りました!
桐生選手は、今回のグランプリはトライアル2ndからの参戦でしたが、賞金ランキング(桐生選手は4位)が初戦は枠番になるため2枠からスタート。
第2戦と第3選では、その抽選運の良さが発揮され、それぞれ2枠と3枠をゲット。トライアル2ndは2着→2着→1着という成績で優勝戦1号艇を獲得した上での優勝でしたが、「正直枠番のおかげです!あとは流れ、それに尽きます」と語っていました。

運も実力のうちですよね!トライアル2ndの2日目では、池田浩二選手と茅原悠紀選手の優勝候補2人が減点を取られて出遅れました。
なお、優勝戦の2着には、トライアル1stから絶好調だった若手筆頭の関浩哉選手が入り、3着には賞金ランキング1位でグランプリ進出していた茅原悠紀選手が入りました(3連単1-2-5は1番人気で760円)。
「今回走らせてもらった6人の強さが分かったし、自分の弱さや甘さとかもあるなと思いました。また来年はイチからやっていきたいと思います」と謙虚にコメントしていました。
トライアル1st・トライアル2ndの経緯は以下の通りでした。
トライアル1st(終了)
初日と2日目に行われた結果、トライアル1stの結果は以下の通りでした( 1着=14点、2着=12点、3着=11点、4着=9点、5着=8点、6着=7点)。
- 関浩哉(賞金ランキング15位):25点(3着・1着)
- 山口剛(賞金ランキング7位):24点(2着・2着)
- 峰竜太(賞金ランキング8位):23点(1着・4着)
- 西山貴浩(賞金ランキング9位):22点(5着・1着)
- 上條暢嵩(賞金ランキング10位):21点(1着・6着)
- 佐藤翼(賞金ランキング13位):20点(2着・5着)
- 磯部誠(賞金ランキング18位):20点(5着・2着)
- 白井英治(賞金ランキング12位):19点(3着・5着)
- 新田雄史(賞金ランキング11位):18点(6着・3着)
- 原田幸哉(賞金ランキング17位):18点(6着・3着)
- 中島孝平(賞金ランキング16位):18点(4着・4着)
- 宮地元輝(賞金ランキング14位):16点(4着・6着)
結果、赤字の6人が勝ち残り、3日目からのトライアル2ndに進出しました。
トライアル2nd(終了)
3日目~5日目に開催されたトライアル2ndですが、結果は以下の通りとなりました(1着=10点、2着=9点、3着=7点、4着=6点、5着=5点、6着=4点)。
※赤字はトライアル1stからの勝ち上がり組
- 桐生順平(賞金ランキング4位):28点(2着→2着→1着)
- 関浩哉(トライアル1stで1位):23点(2着→6着→1着)
- 西山貴浩(トライアル1stで4位):22点(4着→1着→4着)
- 上條暢嵩(トライアル1stで5位):20点(3着→3着→4着)
- 茅原悠紀(賞金ランキング1位):19点(1着→2着→3着)※減点7
- 馬場貴也(賞金ランキング6位):19点(5着→5着→2着)
- 山口剛(トライアル1stで2位):19点(3着→3着→5着)
- 峰竜太(トライアル1stで3位):19点(4着→4着→3着)
- 佐藤翼(トライアル1stで6位):18点(6着→1着→3着)
- 佐藤隆太郎(賞金ランキング3位):15点(6着→4着→5着)
- 末永和也(賞金ランキング5位):14点(5着→5着→4着)
- 池田浩二(賞金ランキング2位):10点(1着→落水→2着)※減点9
今年SGを2連覇して賞金ランキング首位を走っていたものの、チャレンジカップで賞金ランキング3位に転落した新星・佐藤隆太郎選手、さらに末永和也選手の若い2人は、グランプリ初出場の呪い?の影響か、下位に沈みました。
優勝候補だった賞金ランキング2位・池田浩二選手は、トライアル2日目の落水による減点9がこたえて最下位でした。
一方、池田選手同様、2日目に減点7を取られた賞金ランキング1位・茅原悠紀選手は、優勝戦5号艇に滑り込みました。
優勝戦2号艇は、トライアル1stをトップ通過で勝ち上がった次世代トップ・関浩哉選手。優勝戦3号艇・4号艇は、関選手同様トライアル1st勝ち上がりの西山貴浩選手・上條暢嵩選手が獲得。
得点19点で4選手が並びましたが、優勝戦6号艇をゲットしたのは2022年MVPの馬場貴也選手でした。峰竜太選手は、3日目3着と意地をみせて合計19点でしたが、惜しくも優勝戦進出ならず。
(参考)過去のグランプリ優勝戦と結果まとめ
こちらでは、2015年(第30回)以降の、グランプリ優勝戦と結果について、一気にご紹介していきます!
※選手名から個別記事にリンクしています
2025年(第40回)
2025年(第40回)グランプリは、桐生順平選手が1号艇から危なげない逃げを決め、自身2度目のグランプリ制覇を達成しました。

2024年(第39回)
2024年(第39回)グランプリは、毒島誠選手が1号艇から見事な逃げを決め、悲願のグランプリ初制覇を達成しました。

2023年(第38回)
2023年(第38回)グランプリは、地元・大阪支部の「石野信用金庫」こと石野貴之選手が、1号艇から見事な逃げを決めました。
賞金ランキング4位から臨んだ石野選手、同年プロ野球で日本一になった阪神タイガース・岡田監督にあやかり、“優勝”を“アレ”と呼んでいました。

2022年(第37回)
2022年の12/13~18にボートレース大村で行われ、優勝者は白井英治選手でした。

2021年(第36回)
2021年の12/14~19にボートレース住之江で行われ、優勝者は瓜生正義選手でした。

2020年(第35回)
2020年の12/15~20にボートレース平和島で行われ、優勝者は峰竜太選手でした。

2019年(第34回)
2019年の12/17~22にボートレース住之江で行われ、優勝者は石野貴之選手でした。

2018年(第33回)
2018年の12/19~24にボートレース住之江で行われ、優勝者は峰竜太選手でした。

2017年(第32回)
2017年の12/19~24にボートレース住之江で行われ、優勝者は桐生順平選手でした。

2016年(第31回)
2016年の12/20~25にボートレース住之江で行われ、優勝者は瓜生正義選手でした。

2015年(第30回)
2015年の12/18~23にボートレース住之江で行われ、優勝者は山崎智也選手でした。


競艇界で最高のレーサーが集うグランプリは、予想も非常に難しくなります。予想サイトの無料サイトなども上手く活用しましょう!


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