
「ヤングダービー」は、若手レーサーのナンバーワンを決めるレースであり、プレミアムG1(PG1)の1つです。
2025年(第12回)は、9月23日(火)~9月28日(日)の日程で、「ボートレース宮島」で開催されました。

この記事では、ヤングダービーのレース概要や過去の優勝者、直近開催の結果などをご紹介します。
ヤングダービーとは
ヤングダービーは、満30歳未満の若手ボートレーサー(ヤングレーサー)を対象とした、プレミアムGI競走(PG1)です。


競艇選手は約1,600名いますが、その約4分の1にあたる400名程度が「ヤングレーサー」に当たります。
優勝賞金は1,300万円(2025年度)と高額であり、まだビッグレースに出られないヤングレーサーにとっては、大きな目標となっています!
このヤングダービー、かつては「新鋭王座決定戦競走」と呼ばれていましたが、2014年から現名称に変更され、PG1レースに格上げされました。
この際に、出場条件も「デビュー6年目未満の選手」から「30歳未満の選手」に変更。
出場資格は、その年の9月1日時点で30歳未満の選手の中で、前年7月1日~当年6月30日までの勝率上位者、前年度の優勝者。
これに加えて、「イースタンヤング」と「ウエスタンヤング」という、このレースの前哨戦となるプレシリーズ(いずれもG3レース)があり、これら2つのレースの優勝者も出場権が獲得できます。
※「イースタンヤング」も「ウエスタンヤング」も、出場資格は満30歳未満の勝率上位者
2025年イースタンヤングの優勝者
「イースタンヤング」は、東日本の若手達の戦いであり、桐生競艇場から住之江競艇場までの所属選手が対象になります。
2025年の第12回は、6月にボートレース多摩川で開催され、118期で27歳の宮之原輝紀選手(東京支部)が優勝しました。

宮之原選手は、イースタンヤングは、2022年に続く2回目の制覇となりました。
しかしながら、宮之原選手は2024年9月のボートレース津の周年記念の優勝戦でフライングをしており、PG1ヤングダービーには出場できませんでした。
2025年ウエスタンヤングの優勝者
「ウエスタンヤング」は、西日本の若手達の戦いであり、尼崎競艇場から大村競艇場までの所属選手が対象になります。
2025年の第12回は、6月にボートレース芦屋で開催され、122期で26歳の中村日向選手(香川支部)が優勝しました。

中村選手は、デビューからわずか4年9カ月で四国地区選(G1)を制し、登録番号5000番台で誰よりも先にG1戦覇者になった実力者です。
ヤングダービーの過去5年の開催
そんなイースタンヤング・ウエスタンヤングの覇者を含め、有望な若手レーサーが激突する9月のヤングダービー。
過去5年の開催レース場と優勝者は、以下の通りです。
| 開催回 | 開催レース場 | 優勝者 |
| 2025年(第12回) | ボートレース宮島 | 前田滉 |
| 2024年(第11回) | ボートレース桐生 | 関浩哉 |
| 2023年(第10回) | ボートレース下関 | 上條暢嵩 |
| 2022年(第9回) | ボートレース多摩川 | 近江翔吾 |
| 2021年(第8回) | ボートレース徳山 | 羽野直也 |
2025年の優勝者は前田滉(まえだ・ひかる)選手!

2025年(第12回)のヤングダービーはボートレース宮島で開催されましたが、5コースから前田滉(まえだ・ひかる)選手が勝利し、G1初優出で優勝を決めました!
2025年9月28日の12Rに開催された優勝戦は、以下のメンバーで争われました。
- 新開 航
- 中山 翔太
- 井上 忠政
- 吉田 裕平
- 前田 滉
- 中村 日向
予選1位の新開選手、2位の中山選手が、ともに準優戦でイン逃げを決めて1・2号艇をゲット。
3号艇の井上選手は2連対率が最も高いモーター60号機を駆り、4号艇にはドリーム戦を1号艇から勝利した吉田選手、6号艇にはウエスタンヤング覇者・中村選手が控えたレースでした。
1マークでは、3号艇・井上選手がまくりを仕掛けるも、まくり差しで先に抜けたのは5号艇・前田選手。2周目くらいから、2号艇・中山選手と前田選手が並走し、激しいトップ争いを繰り広げました。
そして最終周回の1マークで、井上選手が中山選手に接触。井上選手は妨害失格、中山選手は転覆となり、最終的には5-1-6という予想もつかない結果に。3連単は¥14,130でした。
直後のインタビューで、「うれしいです。ホッとしました」とコメントした前田選手。
伸び型に仕上がった舟足を、さらに特化させて勝負しましたが、5コースは今年に入ってから20%超の1着率。見事にファンの期待に応えた形です。
前田選手は、3兄弟がボートレーサーとして活躍しています。
実は、同じ愛知支部に所属する長兄の篤哉選手、双子の兄の翔選手も、今回のヤングダービーは参戦していました。「(兄たちの)支えが大きかったです」とコメントしていました。
ルーキーシリーズの予想ポイント
ヤングダービーに限った話ではありませんが、一般的に若手レーサーが集まるとレースは荒れやすく、1号艇の勝率は通常より高くないと言われます。
これは、ベテランがおらず気を使わなくて済むという点と、同世代同士なので遠慮がいらないという点があると思われます。
また、コース別1着率を比較すると、1コースの勝率はそれほど変わらないが、ルーキーシリーズは2コースより3コースの方が1着率が高い(vs. 通常レースは2コースの方が高い)という傾向があります。
これは、2コースは相応のテクニックを要し、時にはSG常連選手でも難しいが(=若手には更にハードルが高い)、3コースは勢いやターンで押し切れるため、勢いのあるルーキーはまくりが多い(決まりやすい)傾向があるからのようです。

まくりが決まると、その外側の選手が有利。ヤングレーサーのレース展開予想の際には、この点も考慮に入れましょう!


