「ヤングダービー」は、若手レーサーのナンバーワンを決めるレースであり、プレミアムG1(PG1)の1つです!
2023年(第10回)は、9月19日(火)~9月24日(日)で、「ボートレース下関」で開催されました。

この記事では、ヤングダービーのレース概要や過去の優勝者、イースタンヤング・ウエスタンヤングについて、直近開催の見どころをご紹介します!
ヤングダービーとは
ヤングダービーは、満30歳未満の若手ボートレーサー(ヤングレーサー)を対象とした、プレミアムGI競走(PG1)です。
※競艇選手は約1,600名いますが、その約4分の1にあたる400名程度がヤングレーサー
優勝賞金は1,100万円と高額であり、まだSGには出られないヤングレーサーにとって大きな目標となっています!
このヤングダービー、かつては「新鋭王座決定戦競走」と呼ばれていましたが、2014年から現名称に変更され、PG1レースに格上げされました。
この際に、出場条件も「デビュー6年目未満の選手」から「30歳未満の選手」に変更されました。
出場資格は、その年の9月1日時点で30歳未満の選手の中で、前年7月1日~当年6月30日までの勝率上位者、前年度の優勝者。
これに加えて、「イースタンヤング」と「ウエスタンヤング」という、このレースの前哨戦となるプレシリーズ(いずれもG3レース)があり、これら2つのレースの優勝者も出場権が獲得できます。
※「イースタンヤング」も「ウエスタンヤング」も、出場資格は満30歳未満の勝率上位者
イースタンヤング
「イースタンヤング」は、東日本の若手達の戦いであり、桐生競艇場から住之江競艇場までの所属選手が対象になります。
2023年の第10回は、6月11日(日)~6月16日(金)にかけて常滑競艇場で開催され、115期で29歳の関浩哉選手(群馬支部)が優勝しました。
大注目の女子選手、まくり姫・高田ひかる選手は、決勝戦で3号艇からトップスタートを決めて関選手に挑みましたが、惜しくも2位!
2022年のイースタンヤング優勝者であり2連覇が期待された宮之原輝紀選手(東京支部)、前評判が高く予選トップ通過の吉田裕平選手(愛知支部)は、いずれも準優戦で高田選手に敗れてしまいました。
ウエスタンヤング
「ウエスタンヤング」は、西日本の若手達の戦いであり、尼崎競艇場から大村競艇場までの所属選手が対象になります。
2023年の第10回は、6月10日(土)~6月15日(木)にかけて鳴門競艇場で開催され、118期で27歳の新開航(福岡支部)が優勝しました。
大山千広選手・仲谷颯仁選手など福岡支部の選手が注目されたレースでしたが、新開選手が圧倒的な実力を見せつけました。
予選トップ通過(オール3連対)からの準優戦1着、優勝戦も1号艇からの逃げで優勝。「完璧なターンができました。」と風格あるコメントを残していました。
その他のヤングシリーズ
ヤングダービー、イースタンヤング、ウエスタンヤングの他には、年2回実施される「ボートレースレディースvsルーキーズバトル」があります。
扱いは一般戦ですが、男子・女子に分かれて団体戦で争われるという面白い開催であり、こちらも要注目です!

ルーキーシリーズの特徴
これはヤングダービーに限った話ではありませんが、コース別1着率を、ルーキーシリーズと通常レースとで比較すると、1コースの勝率はそれほど変わらないものの、ルーキーは2コースより3コースの方が1着率が高い(vs. 全選手は2コースの方が高い)という傾向があります。
これは、2コースは相応のテクニックが必要であり、時にはSG常連選手でも難しいことに対して(若手には更にハードルが高い)、3コースは勢いやターンで押し切れるため、勢いのあるルーキーの走りはまくりが多い・決まりやすい傾向があると言われています。
まくりが決まると、その外側の選手が有利になります。ヤングレーサーのレース展開予想の際には、この点も考慮に入れておきましょう。
ヤングダービーの過去5年の開催
そんなイースタンヤング・ウエスタンヤングの覇者が激突する9月のヤングダービー。
過去5年の開催レース場と優勝者は以下の通りです。
開催回 | 開催レース場 | 優勝者 |
2023年(第10回) | ボートレース下関 | 上條暢嵩 |
2022年(第9回) | ボートレース多摩川 | 近江翔吾 |
2021年(第8回) | ボートレース徳山 | 羽野直也 |
2020年(第7回) | ボートレースびわこ | 磯部誠 |
2019年(第6回) | ボートレース三国 | 永井彪也 |
2023年(第10回)のヤングダービーの優勝者は上條暢嵩選手!
2023年(第10回)のヤングダービーは、29歳にして参加最終年の上條暢嵩選手(大阪支部)が2号艇からまくりを決め、2度目のG1制覇を成し遂げました。
一般的に若手レーサーが集まるとレースは荒れて1号艇が敗れると言われますが、これはSG常連クラスのベテランがおらず気を使わなくて済むという点と、同世代同士なので遠慮がいらないという点があると思われます。
しかし、今節は5日間で1号艇の勝利が46勝。今回の開催場である下関競艇場は、1号艇の1着率が62.5%と、全国第4位の「インの強い競艇場」です。午前中は外海からのうねりが入ってくることがあり、これが発生すると「まくり」が難しくなるため、さらにイン有利になる特徴があります。
最終日も11Rまでイン逃げ10本でしたが、優勝戦でそれを覆した上條選手。1号艇・入海馨選手を見事に打ち破りました。
上條選手は優勝戦を振り返って、「行く前からやれる気がしていた。自分が一番、冷静だったと思う。経験で勝てました」と振り返っていました。

上條選手、磯部(誠)選手が2コースから勝利した時が印象に残っており、自分もラストイヤーで勝てるんじゃないかと思ったとのこと。磯部選手のような凄い選手に成長してほしいですね!