A1級レーサーを対象としたファン投票で出場選手が決まるSGレース、ボートレースオールスター。
2023年は、5月23日(火)~5月28日(日)にかけて、「ボートレース芦屋」で開催されました。

この記事では、ボートレースオールスターのレース概要や過去の優勝者、直近の優勝者・レース結果などをご紹介します。
※他のSGの開催日程・レース結果についてはこちらの記事をご覧ください。

ボートレースオールスターとは
ボートレースオールスターの正式名は「笹川賞競争」と言います。
これは、日本における競艇の立ち上げと発展に大きく寄与し、「ボートレースの生みの親」とも言われる笹川良一氏に由来します。
プロ野球のオールスターと同様、ファンの人気投票によって出場選手が決まるレースであり、毎年1~2月にファン投票、3月に結果発表、5月にレース開催という流れです。
5大SG競走である「GRANDE5」(①ボートレースクラシック、②ボートレースオールスター、③ボートレースメモリアル、④ボートレースダービー、⑤グランプリ)の1つでもあります。
出場資格は、ファン投票上位者のほか、前年度の優勝者、前年度のグランプリ優勝戦出場者6名、直近のSGボートレースクラシック優勝者など。
賞金金額は、全レース中2番目に高い4,000万円(2023年度から100万円増額)であり、賞金ランキングに大きな影響を与えます。
レースの見どころ
ボートレースオールスターは、成績でなくファン投票で出場が決まるため、選手間の実力差が最も激しいSGと言われています。
また、例えば2023年の第50回は芦屋競艇場で開催されましたが、芦屋は1号艇の一着率が64.6%もあり、大村と並んで最もインが強いと言われる競艇場です。
そのため、強い選手がインに入ったら鉄板レースになるので、出走メンバーをよく確認する必要があります。
なお、いわゆる「前づけ」をしてくる選手が入っていると、予想に大きな影響が出てきます。
実際に「前づけ」するかはメンバーや気象状況にもよりますが、展示走行で「前づけ」していたら、本番でも高確率で行ってくると思って良いでしょう。
過去5年の優勝者
ボートレースオールスターは2023年で50回目の開催であり、過去5年の優勝者は以下の通りです。
開催回 | 開催レース場 | 優勝者 |
2023年(第50回) | ボートレース芦屋 | 石野貴之 |
2022年(第49回) | ボートレース宮島 | 原田幸哉 |
2021年(第48回) | ボートレース若松 | 峰竜太 |
2020年(第47回) | ボートレース住之江 | 篠崎仁志 |
2019年(第46回) | ボートレース福岡 | 吉川元浩 |
参考:https://www.boatrace.jp/owpc/pc/data/record/list?category=0400
2023年の第50回は石野貴之選手が優勝!
2023年の第50回ボートレースオールスターは、石野貴之選手が1号艇から先マイから完璧な逃げを決めて勝利。
石野選手は、2017年の第44回(福岡)以来2度目のボートレースオールスター優勝で、史上8人目となる通算10度目のSG制覇となりました。
ちなみに、今開催は準決勝戦からかなりの波乱含みだったため、そこから振り返ってみましょう。
準決勝の結果
準決勝1レース目
- 茅原悠紀
- 深谷知博
- 下條雄太郎
- 稲田浩二
- 倉持莉々
- 桐生順平
3号艇の下條雄太郎選手が痛恨のフライング。SGフライング新罰則の適用第1号になってしまいました。その影響を受けて、1号艇の茅原悠紀選手もターンマークに激突して落水失格。
これら2選手のアクシデントの隙を突いて、5号艇から倉持莉々選手が勝利!2022年の平高奈菜選手(6号艇から6着)に続いて、2年連続の女子レーサーの優出となりました。
2着は2号艇・深谷知博選手でした。
準決勝2レース目
- 石野貴之
- 篠崎元志
- 前田将太
- 瓜生正義
- 平本真之
- 宮地元輝
こちらのレースは、準優戦で唯一、1号艇の石野貴之選手が無難に逃げて勝利を収めました。予選2位だったことから、決勝戦の1号艇をゲット。
なお、地元の4号艇・瓜生正義選手が2着に入り、優出を決めました。
準決勝3レース目
- 毒島誠
- 山田康二
- 椎名豊
- 馬場貴也
- 濱野谷憲吾
- 磯部誠
こちらのレースは、5号艇・濱野谷憲吾選手がトップスタートからの豪快なまくりを決めて大勝利!
なお、2着は2号艇・山田康二選手でした。予選トップ通過、優勝候補だった1号艇・毒島誠選手は、まさかの6着に沈みました。
優勝戦の結果
さて、以上のような準優戦を踏まえて、決勝戦は以下の6名のメンバーで争われました。
- 石野貴之
- 濱野谷憲吾
- 倉持莉々★
- 深谷知博
- 山田康二
- 瓜生正義
★・・・女子選手
エースモーターの14号機を引き当て、今開催は4勝かつオール3連対だった石野貴之選手。
1号艇からスタートした優勝戦では、好スタートを切って先マイすると、そこから全く他艇を寄せ付けず独走!
「メンタル面は、これまでの選手人生で一番充実していたかもしれない。いいエンジンを引けたし、2日目には完調だと感じました」と、自他ともに認める完璧な勝利でした。
今回の勝利で、通算10度目のSG優勝となった石野選手ですが、「松井繁さんの12冠があるので、それを超えられるように頑張りたいです」とコメントしていました。
2着は2号艇から浜野谷憲吾選手が入りました。「足は見ての通り。出ている人とは差があった」「もっとエンジンが出ている時に活躍したい。後半戦も頑張るよ」とのコメントでした。
3着は、瓜生正義選手との争いを制して、3号艇・倉持莉々選手が死守。2022年の遠藤エミ選手に続く女子選手2人目のSG制覇とはいきませんでしたが、「すごくいい経験をさせてもらいました」との本人の言葉通り、今後につながりそうです!
初日ドリーム戦の結果
初日5月23日(火)12Rのドリーム戦は、ファン投票の上位6名による戦いでした。
結果は、11年ぶり2度目のファン投票1位になった1号艇・池田浩二選手が快勝。3号艇・毒島誠選手が2着、6号艇・桐生順平選手が3着でした。
勝利した池田選手ですが、「直線も何か上がってきていない音だし、ターンも滑っていた。ペラなのか、本体なのか。競っていないけど、競ったら弱いと思うよ。」とのコメント通り、予選は20位で準優出はなりませんでした。
2号艇・西山貴浩選手は、選手責任の転覆。ピット内は一時騒然としましたが、自らの足で整備場に行き、転覆整備を行いました。
(ドリーム戦のメンバー)
- 1号艇:池田浩二選手(愛知支部)
- 2号艇:西山貴浩選手(福岡支部)
- 3号艇:毒島誠選手(群馬支部)
- 4号艇:馬場貴也選手(滋賀支部)
- 5号艇:守屋美穂選手(岡山支部)
- 6号艇:桐生順平選手(埼玉支部)