全国のボートレース場から推薦を受けたエース級の選手などが集うSGレース、ボートレースメモリアル。
2022年は、8月23日(火)〜8月28日(日)にかけて、「ボートレース浜名湖」で開催されました。

この記事では、オーシャンカップのレース概要や過去の優勝者、直近の優勝者、注目選手のレース結果などをご紹介します。
ボートレースメモリアルとは
1年に8回行われるボートレースの重賞レース、SG(スペシャルグレード)ですが、ボートレースメモリアルは5回目のSGとなります。
ボートレースメモリアルは名前の通り、競艇発祥の記念行事として1955年に第一回が大村で開催され、それ以来続いている伝統あるレースの一つです。
5大SG競走である「GRANDE5」(①ボートレースクラシック、②ボートレースオールスター、③ボートレースメモリアル、④ボートレースダービー、⑤グランプリ)の1つでもあります。
出場資格は、前年度の優勝者、前年度のグランプリ優勝戦出場者6名、直近のSGであるオーシャンカップ優勝者、開催場以外の23場からの推薦レーサー、開催施行者の希望レーサーなど。
開催場と各場の推薦する選手が出場できるというところが特徴的ですね!
賞金金額は、ボートレースの中で2番目に高い3,900万円になります!
過去5年の優勝者
ボートレースメモリアルは2022年で68回目の開催となり、過去5年の優勝者は以下の通りです。
開催回 | 開催レース場 | 優勝者 |
2022年(第68回) | ボートレース浜名湖 | 片岡雅裕 |
2021年(第67回) | ボートレース蒲郡 | 原田幸哉 |
2020年(第66回) | ボートレース下関 | 寺田祥 |
2019年(第65回) | ボートレース大村 | 毒島誠 |
2018年(第64回) | ボートレース丸亀 | 毒島誠 |
参考:https://www.boatrace.jp/owpc/pc/data/record/list?category=0300
第68回ボートレースメモリアルの結果
第68回ボートレースメモリアルが開催された浜名湖競艇場は、競走水面の面積が最も広く、うねりが少ないため走りやすい競艇場として人気がある競艇場です。
参加選手は52名。女子レーサーは平高奈菜選手と田口節子選手が参加しました。
先に結果を申し上げますと、SG戦3回目の出場となる香川の若手・片岡雅裕選手のSG初優勝となりました。
5日目の準優勝戦(12R)での片岡選手
5日目の準優勝戦は、地元浜松の強豪・菊池孝平選手が1号艇、片岡選手は4号艇のカドでした。
片岡選手は0.02というトップスタートを決め、
菊池選手にまくり差しをかけました。これが成功し、立ち上がりでは菊池選手の内を差し、バックストレートでトップに立ちました。
しかし菊池選手の周り足は鋭く、2マークで差し替えしてトップを奪還。2マークで片岡選手はツケマイをかけるも、菊池選手に外されてしまい、不発に終わりました。
結果は1-4でしたが、0.07という好スタートだった菊池選手は、恐らくイン逃げ楽勝を決めるつもりだったのでしょう。レース後のインタビューで菊池選手は、「バカヤロウが来たんでね。でも回り足は完璧でしたから、絶対差せると思ってました。明日もバカヤロウがいると思いますが頑張ります」とコメントしていました。
予選トップ通過の菊池選手に対して、片岡選手は予選では6-2-1-2-4の得点12位。予選9位~18位は僅差であり、片岡選手も、各レースで1つでも順位が下だったら準優に乗れなかった可能性があります。
地元の強豪でSG常連である菊池選手からは、「まだSGに来たての若造。今回は運良く準優に乗れただけ」と見えたのかもしれません。
それでも片岡選手も準優2着であり、決勝戦に進むことができました。
そして迎えた最終日。
6日目の優勝戦
最終日は、なんと1R~10Rまで全て1号艇の勝ち。前日の3Rから通算すると、1号艇が20連勝中という状態(11Rは、1号艇のスタートが遅れて5号艇の差しが決まりましたが、2連単・3連単とも万舟券となり、これは1号艇のミスと思われました)。
そして迎えた12Rの優勝戦。1号艇は泣く子も黙る地元の強豪・菊池孝平選手。なお6号艇の片岡選手以外は全員が勝率7点以上で、予選も上位通過のメンバーでした。
この1号艇・菊池選手が負けるわけがない。誰もがそう思いました。
なお、観客だけではなく、出場選手もそう思ったようで、3号艇・新田雄史選手と4号艇・白井英治選手は、1号艇の菊池選手に勝つにはスタートで行くしかないと判断したようでした。僅かながら向かい風で、まくりが出来る状況でした。
そして、トップスタートを決めたのは3号艇でした。1号艇は3号艇のまくりで回りしろを消され、大きく外に膨らんでしまいます。先まくりを打たれた4号艇は行き場を失い、これも外へ。
バックストレートは3号艇がトップ。そして、うまく中を突いた6号艇と、回り足を生かして持ち直した1号艇が並ぶ形になったその時!
「3番、4番フライング欠場」のアナウンスが流れたのです。この瞬間、トップは内の6号艇と外の1号艇の争いになりました。
そして迎えた2マーク。差そうとする1号艇の前に、勝率8点台の強豪・5号艇の山口剛選手が1号艇の内に飛び込み、先マイを決めて、1号艇の差しを抑え込んだのです。行き場をなくした1号艇は外へ流れてしまいました。
この間に、6号艇の片岡選手は直線で3艇身のリードでトップ。2番手は先マイを決めた5号艇という並び順となり、そのままゴール。
1号艇の菊池選手は、2号艇を抑えてなんとか3着に入りました。結果は6-5-1で23,460円、6-5でも11,470円と、11Rに続いて万舟券となりました。
まさかのSG初優勝の片岡選手。涙、涙のインタビューとなりました。
決まり手は「恵まれ」となりましたが、片岡選手の優勝は準優戦で菊池選手に果敢に挑んでいったから得られたものであり、菊池選手に「バカヤロウ」と言われても、片岡選手が自ら掴んだチャンスをものにした結果であったと言えるでしょう。