競艇を見ていて、「自分もボートに乗って競走してみたい!」と思った方は少なくないと思います。
しかし、プロのボートレーサーになるには、難しい試験を突破しなければなりませんし、年齢制限もあります。
また、「プロでなくてもいいから趣味で乗ってみたい!」と言う方もいらっしゃるでしょう。
実は、そういった方のために、競艇と同じハイドロプレーンを使ったアマチュアボートレースというものが存在します!
アマチュアボートレースでは、趣味として競艇のボートに乗ることができます。多少の資格を取得する必要がありますが、それほど難関ではありません。
アマチュアボートレース連盟について
東京に日本アマチュアボートレース連盟という組織があり、趣味で競艇をやるには、この連盟に入会するのが最も早道です。
この連盟は通称「K400」と呼ばれており、アマチュアボートレースのルール設定やレースの主催などを行っています。
連盟の傘下には25のクラブがあり、そのうちどれかのクラブに入ることになりますが、入るには「2級小型船舶操縦士免許」が必要になります。
使われるハイドロプレーンは小さくても「船」ですので、操縦するには免許が必要になるわけですね!
なお、実際にレースに参加するには「レーサー免許」も必要ですが、それはクラブに加入して練習していれば、一定の段階で取得することができます。
ですので、まずは「2級小型船舶操縦士免許」を取りましょう!
「2級小型船舶操縦士免許」の取得方法
「2級小型船舶操縦士免許」は、教習所に2日間ほど通えば取得できます。
費用は4万円強で、学科試験と実技試験があります。
学科試験は50問の4択問題で、3科目で50%以上の正解と総合点で65%以上を取ることができれば合格。ちゃんと勉強していれば大丈夫です。
実技試験は「ライフジャケット着用」「船灯スイッチオン」「声出し」などの基本ができていれば大丈夫です(合格率は99%以上だそうです)。
この免許を取ると、20トン以下の船舶を操縦することができるため、海岸から9km以内であれば海で船を操縦することもできます。海釣りなどが趣味の方にもお勧めです!
クラブ入会
2級小型船舶操縦士免許を取ったら連盟に加入できるので、次はどこのクラブに入るかを決めましょう。
全国25のクラブの一覧は下の通りで、住んでいる場所から近いクラブを選べばOKです。
どのクラブも、Twitterやブログなどで情報発信をしており、新規入会者の受付を行っていますので、クラブ名で検索して下さい(以下は、関東連盟の多摩川モーターボートクラブのTwitter)。
入会手続きを行い、実際に練習している場所に行けば、いよいよハイドロプレーンに乗ることができます。一からボートの乗り方を教えてくれますので、あとは練習あるのみです。
そして、一定レベルの技術があるとクラブから認められれば、「レーサー免許」が交付されます。
この免許を取得できたら、クラブ内のレースやクラブ間の交流レース、K400の主催する全国規模のレースに参加できるようになります。
クラブの普段の練習は河川で行われていることが多いですが、K400主催のレースとなると桐生競艇場や児島競艇場、芦屋競艇場などで行われることもあります!
アマチュアとプロの違い
K400では、実際に走るコース設定・周回数など、プロの競艇とほぼ同じルールを採用しています。
練習する河川には、大時計やスタート線までの距離票、1マーク・2マークが用意されますし、スタート時のスリット写真を撮るためのカメラも用意されています。
ただ、アマチュアの場合、道具一式、艇やモーター、プロペラなどは全てクラブ員でお金を出しあって購入しています。そのため、それなりの金銭的な負担は覚悟しなければなりません。
また、河川まで小型トラックで機材一式を運んだあと、積み下ろしなどは全て自分達でやらなければなりません。これは競艇場のような設備ではない以上、やむを得ませんね。
また、当然ながらアマチュアですので、レースに勝っても賞金は出ません。
あくまで「趣味としてボートレースというスポーツ競技を楽しむ」ことを目的としているという点で、プロの競艇と決定的に異なります。
クラブの実情
K400は公式サイトが無く、クラブ員の総数などは開示されていませんので、アマチュアボートレースをやっている人の正確な数は分かりません。
どこのクラブでも、練習は週1回程度の所が多いようです(主に土日)。
どちらかというと小規模のクラブの方が多く、都合の合うメンバーが4~5人で活動しているようです。大きなクラブでは10数人で5~6隻のボートを使うイメージのようです。
始めての場合、小規模の方が馴染みやすいですし、ボートに乗れる機会も増えますので、一概に規模の大きなクラブが良いとは言えないかもしれませんね。
カポック(救命胴衣)やヘルメット、グローブ・カッパなどは自前で揃える必要がありますが、それらの購入方法も教わることができます(ちなみにバイク用ヘルメットは競艇では使えません!)。
練習の難易度と続けるコツ
実際に乗ってみれば分かりますが、ハイドロプレーンは結構、体感スピードが高いです。慣れるまでは3周もしたら翌日は筋肉痛になります。
しかし、最も難しいのは、なんといってもスタートです。アマチュアといえどプロと同じルールですので、大時計の秒針が0を指した瞬間から1秒以内にスタート線を通過しないといけません。
早ければフライング、遅ければ出遅れとなり、レースでは失格となります。始めのうちはスリット写真に映らない(つまり極端なフライングか出遅れ)のが当たり前。
これがある程度できるようになれば、「レーサー免許」が交付される日も近くなります!
どんな競技でもそうですが、ある程度以上の基礎技術の会得が必要で、それは地道な練習以外では身に付きません。
最初のうちは少し大変かもしれませんが、ある程度まで技術が向上すれば、アマチュアボートレースの本当の面白さが味わえるようになることでしょう。
ちなみに、実は、アマチュアから始めてプロになった選手もいます。本橋克洋選手(登録番号3655)や茅原悠紀選手(登録番号4418)は、実はアマチュアボートレース出身です!
貴方もプロの競艇選手になる才能があるかも!?興味のある方は、ぜひチャレンジしてみて下さい。趣味としても面白そうですよね!!