競艇は「水上の格闘技」とも呼ばれ、激しい競り合いが醍醐味ではありますが、時には選手の命が危険にさらされるような場面もあります。
競り合いの際にみられる「ダンプ」など、反則と紙一重の技などもあります。
この記事では、まず「ダンプ」について解説したあと、競艇の「不良航走」や「妨害失格」などのルールについてみていきます!
競艇における「ダンプ」の意味は?
例えば、競艇には「ダンプ」と呼ばれる非常に危険な技があります。
まずは、こちらの動画をご覧ください。
6号艇が5号艇にダンプを仕掛けて、転覆させて妨害失格になっていますね・・・
この「ダンプ」は、先行艇との間に3~4艇身程度の距離がある状態で、艇首をあまり返さず突っ込んで相手を弾き飛ばし、その反動で前に出る荒技です。
「ダンプ」を仕掛けた側は、スピードに乗っているのでそのまま前方に押し出される形になるため、上手く決まれば後方から一発逆転を狙うことができます。
勝負が決することが多い1週目の1マークと2マークのターン時に、この「ダンプ」がみられることが多いです。
ぶつけられた艇は、ターンのため横向きになった時などに外側に弾き飛ばされ、スピードが奪われますが、そもそも落水・転覆などのリスクがあります。
「不良航走」と「妨害失格」
この「ダンプ」ですが、航走方法の一つとはされているものの、非常に危険であり、「不良航走」や「妨害失格」とされて反則となることがあります。
また、反則にならなくても、「ダンプ」で勝敗が決した場合、ファンの間で賛否が分かれるレースになりがちです。
近年ではフェアなレースが求められており、「ダンプ」は以前と比べてラフプレーと判定される場合が多く、減少傾向にあります。
「ダンプ」は一発逆転を狙えるものの、「不良航走」や「妨害失格」となると、収入・成績に関わるペナルティが課せられるため、行う側にも大きなリスクがあります。
ここからは、「不良航走」と「妨害失格」について解説していきます。
不良航走とは
まず、不良航走には、「追い抜き違反」と「斜行違反」の2つの違反があります。
いずれも、違反となればペナルティを課されてしまいます。
追い抜き違反
「追い抜き違反」とは、前方のボートを内側から追い抜く行為。
競艇では、ターン時に前方のボートを追い抜く際は、基本的には外側から追い抜かなければなりません。
ただ、他艇の妨害になったり、先行艇と十分な距離がある場合、内側から追い抜いても問題ないとされています。
「ダンプ」の例では、十分な距離がないのに仕掛けるケースも多く、この場合には不良航走と判定される可能性があります。
斜行違反
「斜行違反」とは、前方や後方のボートの進路を妨害する行為。
例えば、バックストレッチで追い抜きのため進路変更した場合、他艇の進路を塞ぐように進路変更すると斜行違反と判定される可能性があります。
そもそも競艇場によってはバックストレッチでの斜行を認めていないところもあり、進路を変えずに真っすぐ走るのが基本とされています。
妨害失格とは
航走時、他艇を巻き込む危険な動きをすることによって、「妨害失格」となる場合があります。
例えば、「ダンプ」によって他艇を落水・転覆をさせたとき、また自身が転覆したことによって他艇を巻き込んでしまったときなどがこれにあたります。
なお、「ダンプ」について、仕掛けた側のみが落水・転覆した場合は、選手責任の事故失格となります。
「不良航走」と「妨害失格」の罰則
「不良航走」や「妨害失格」と判定された場合、ペナルティが課せられます。
罰則には色々な種類がありますが、ひとつは「事故点」の加算です。
「不良航走」は2点、「妨害失格」は15点の「事故点」が加算されます。
級別審査期間の事故率が0.70を超えるとB2級になります。
また、1節の間に「不良航走」や「妨害失格」が3回あった場合、即日帰郷が命じられます。即日帰郷が命じられると、その節のレースに出走できません。