競艇のスタートはフライングスタート方式が採用されています。競艇ならではのスタートであり、あまり聞き慣れないスタート方式だと思います。競艇ではスタートが勝負を決めるといってもいいほど重要なので、その基本ルールと見方をここでは学んでいきましょう。
基本ルール
まずスタートする前に待機行動で選手はそれぞれの進入コースを確定させます。
そしてスタートライン付近にある大時計を見ながら、スタートするタイミングを計算しスロットルレバーを握ってスタートラインを駆け抜けていきます。スタートまではざっとこのような流れで行われます。
競艇のスタートは決まった時間内にスタートしなければならず、それに違反するとフライングや出遅れといったスタート事故が起こります。
フライングの時間
そのスタートタイミングとは大時計の針が0~1秒を指す間にスタートラインを通過しなければなりません。0.01以上でもフライングとなり0.05以上だと非常識なフライングとみなされ、即日帰郷の重い処分が下されます。
出遅れはその反対で、1秒以上遅れてスタートラインを通過することです。出遅れも処分が発生します。陸上などのようにヨーイドンでスタートできない競艇ではこれらルールによりフライングを設定しており、フライングを切る切らないコンマ01の世界で選手はスタートと戦っています。
この感覚は素人ではわからない世界です。それぐらいスタートは重要でフライングスタート形式を知っておく必要があります。またフライングや出遅れを犯すと選手は長期休みになり、その間レースに参加できず無収入になるためなるべくフライングをしないようは心がけています。
しかしスタートを攻めなければ勝てないため攻める気持ちも抱くことも大事になってきます。こういった心理的な背景もフライングスタート形式には含んでくることも抑えておくといいでしょう。
スタートの見方
スタートではモーターの良し悪しで選手のスタート勘(見え方)が合ったり合わなかったり変わってきます。
アジャストするケース
例えば行き足が良いとスタート付近では伸びやすい状態で勢いがあり、伸びが良いぶんスタートまでの距離感が掴めていないとフライングになってしまうことも考えられます。
またモーターが逆に良すぎるあまり選手がスタート勘を掴みきれていないまま本番でフライングしそうになりアジャスト(スロットルレバーを緩める)してしまうことも想定としてあります。
行き足が良いモーターでスタート勘がバチっと合えば、1号艇ならしっかり逃げ、3号艇や4号艇なら迫力あるまくりなどの決まり手が見れることでしょう。
出遅れの発生原因
一方で出遅れということもあります。出遅れが起こる原因はエンストやスタート展示と本番レースで風向きや風速が変わりスタートが見えなくなったなどで発生します。
また出足が悪いモーターや起こしが良くないと行き足が伸びきるまで時間がかかり、スタートが届かないといった見方もできます。この場合、選手のプロペラ調整やモーター整備などによって少しは変化が出ると思いますが、素性が悪いためそんなに変化が出ないこともありえて、最悪スタートが届かず出遅れもありえます。
しかし出遅れのケースは稀で、いくら悪いモーターといえど選手は時間内にスタートは切れるほどの経験があるので、エンストなどのよほどのアクシデントがない限り起こりにくいぐらいに思っておくといいでしょう。
フライングスタート形式ではモーターの良し悪し、選手のスタート勘も関わってきますので本番レース前に行われるスタート展示や選手コメントなどしっかり把握しておきたいですね。