競艇をみていると、たまに「非常識なF」という表現を見かけます。
慣れていないとギョッとしますが、「F」は「フライング」のこと。
例えば、2024年4月の某レースの記事より・・・
この「非常識なフライング」とは、いったい何なのでしょうか?
この記事では、競艇における「非常識なF(フライング)」について、詳しく解説していきます!
非常識なF(フライング)とは
「非常識なF」は、「非常識なフライング」。
フライングのことをFと表記するため、このような書き方になります(ちなみに「出遅れ」は、レイトのL)。
これは、正常なスタートタイミング(ST)より0.05秒以上早くスタートすることです。
競艇は、静止状態からスタートするのではなく、助走をつけてスピードに乗った状態でスタートラインを通過する「フライングスタート」方式を採用しています。
そして、決められたスタートタイミングに合わせてスタートラインを通過しますが、そのタイミングより早くスタートラインを通過してしまうと「フライング」になります。
そして、通過タイミングが0.05秒以上早い場合、「非常識なF」と判定されるのです!
0.05秒ってどのくらい?
「非常識」と言っても、たったの0.05秒。大したことないのでは?と思うかもしれません。
ただ、コンマ05秒は、(スローとダッシュでも異なりますが)「しまった!舳先が少し出てしまった!!」というレベルではありません。
イメージとしてはボートの1/3くらいが飛び出てしまうくらいで、肉眼でも分かります(実況アナが「あーこれは早い!」とコメントするレベル)。
なお、コンマ1秒を越えてしまうと、完全に1艇身は飛び出てしまいます。ボートレーサーが非常にシビアな世界で戦っていることが良く分かりますね・・・
即日帰郷だったが2022年にルール変更
フライングは、レース主催者のみならず、舟券を買ったファンにも大きな損害を与えてしまいます。
そのため、フライングは同一節に2回起こすと即日帰郷(節間でも地元へ強制的に帰らされる)ですが、「非常識なF」は1発アウトで即日帰郷でした。
これは、「非常識なF」は集団フライングを誘発してしまう可能性があるからです。
しかし、2022年4月、こちらの通りルール変更が発表されました。
- 2022年4月30日までの非常識なフライング:原則、即日帰郷の処分
- 2022年5月1日以降の非常識なフライング:原則、即日帰郷の処分を廃止し、従前のスタート事故による出場辞退期間に、5日間の出場辞退日数を加算
通常、フライングなどスタート事故には出場辞退期間(フライング休み)があり、1回目で30日、2回目で60日、3回目で90日です。
これに「5日間の出場辞退日数」が加算され、それぞれ、35日、65日、95日になるということですね!
変更の狙いとしては、コロナ期間の選手不足で「非常識なF」に対する処分が緩和されていたこと、節間のいつに起こそうが平等な処分にすること(初日でも最終日でも変わらない)などがあるようです。