競艇選手は、A1・A2・B1・B2という級別に分かれていますが、この級別を決める審査を級別審査と言います。
この級別審査は半年にわたって行われますが、その最終月である 4 月または10月のレースでは、当落線上の選手にとっては昇級や現級維持のための正念場となり、「勝負駆け」がみられることがあります!!
この記事では、級別審査について解説した上で、4月と10月は当落線上の選手が狙い目となるという点について解説します!
級別審査とは
競艇の級別審査とは、A1・A2・B1・B2という選手の級別を決めるための審査であり、こちらの「選手級別決定基準」に細かく定められています。
級別審査の期間は毎年2回あります。
- 前期:05月1日~10月31日(その後、1月1日から新しい級別)
- 後期:11月1日~04月30日(その後、7月1日から新しい級別)
6ヶ月間の成績に応じて、次の級別が決まるわけですね!
下の表は公式ページからの引用ですが、2連対率・3連対率・勝率、また事故率・最低出走回数などが考慮されます。
この級別審査の最終月が4月と10月につき、昇級(A2→A1など)や現級維持(A1に止まる)ギリギリの選手は、結果を出すためイチかバチかの思い切った走り=「勝負駆け」をするわけですね!
勝負駆けの選手が狙い目なワケ
では、なぜこのような「勝負駆け」の選手は狙い目になるのでしょうか?
これはずばり、フライング覚悟でトップスタートを切る可能性があるからです!
もちろん、現在の級別から陥落する瀬戸際にいる選手などは、スランプに陥っていたり、単に実力不足だったりする場合も多いので、勝てる可能性が高いとは言えません。
ただ、当落線上ぎりぎりの選手が1号艇に配置された場合、1号艇の割に高配当になることがあり、イン有利の場などでは美味しい狙い目となります。
火事場の馬鹿力という言葉がある通り、人間誰しも追いつめられると「ダメ元」で思いっきり行く可能性があるので、狙い目には入れておいた方が良いと言えます。
当落線上のA1選手を見つけよう
当落線上の選手が誰かという情報は、予想紙などを読まない限り、分からないことが多いです。
ただ、上で書いた通り、級別の最上級はA1級で、全レーサー数の上位20%が該当します。
レーサーの総数は1600人程度ですので、A1級に入ることができるのは、ざっくり上位320人ほど。
そして、A1級のボーダーラインは、勝率6.20前後になることが多いです。
級別審査の最終月である4月や10月になると、このボーダーラインが見えてきて、当落線上の選手達は「自分は残り〇走で〇着を〇回取らないとボーダーに届かない!」と分かってきます。
勝率は、着順点合計を出走回数で割って計算します。一般戦の着順点は3着が6点なので、例えばずっと3着だとA1級のボーダーラインを下回ってしまいます。
そのため、1着または2着を狙うため、果敢に勝負駆けに打って出るわけです。
G1レースなどは出場選手がA1選手ばかりですので、例えば4月または10月のG1レースで、勝率5点台後半~6点台前半の選手をチェックすると、勝負駆けを行う可能性がある選手を簡単に見つけることができます!
なお、陥落寸前のA1選手は必死です。
級別は高いほどあっせん日数やグレードレースへの出場機会が増えますが、なによりA1とA2とでは収入面が全く違い、A1級は平均年収3,000万円、A2級は1,800万円とも言われています!
番組編成担当者の配慮?
実は、こういった正念場を迎えている「勝負駆け」の選手には、開催側が少しだけ配慮することがあります。
配慮すると言っても、せいぜい1号艇を当ててくれる程度で、すごく贔屓してくれるわけではありません。いわば、「チャンスを与えてやる」程度の気の使い方です。
こういった配慮は、長年にわたり頑張っているベテランに対して、たまに見受けられるようにみえます(瀬戸際の選手が2人も3人もいると開催側も気を回せないかもしれませんが、その開催で1人だけの場合など)。
番組編成担当は、選手の状況をよく把握して番組を作っており、こういった配慮も可能なのです。
上で書いた通り、このようなレースを見つけた場合、1号艇が穴になる可能性があります!
ちなみにこれは一定のキャリアがあるベテラン選手の話であり、若手選手に対しては、番組編成担当者も特別な配慮をすることはほぼないようです。
これは、若手選手の場合、成績を上げて A1 級に上がっても、多くの選手は A1 級を維持できずに A2 級に落ちることが普通だからです。
よく「一般戦で稼いだ勝率を G1 で下げる」などと言いますが、A1級に上がると、それまで戦ってきた相手とは格が違う選手と戦うことになり、どうしても勝率が下がってしまいます。
若手がA1級に初めて上がって、翌期に陥落することは「よくあること」であり、いわばその選手が成長するために通らなければならない道程とも言えます。
昇級と陥落を繰り返しながら、一流選手と戦っていける実力を身に付けた選手だけが、A1 級に定着できるわけですね。