最初は挫折の連続だった新人時代
人気、実力ともに女子ではトップクラスの小野生奈選手。小柄でチャーミングな彼女ですが、アイドルレーサーのように「セーナちゃーん」と呼ぶファンは殆んどいません。
彼女のアスリートとしての存在感と実力、技術の高さをファンは知っているからです。
男子顔負けのターンを決めるA1選手として、毎年ファン投票で選ばれる「SGボートレースオールスター」には6年連続で出場している人気レーサーでもあります。
でも、そんな彼女もデビューから華々しい活躍をしたわけではなく、挫折の連続で初勝利までに1年半もかかった苦労人でもあります。
小野生奈(おのせいな)、1988年10月2日、福岡県古賀市生まれの31歳。東海大学第五高等学校(現・東海大学付属福岡高等学校)卒業。やまと競艇学校103期。登録番号4530、福岡支部所属、A1級。身長155センチ、46キロ、血液型B型。三姉妹の長女で、妹(三女)も同じ女子競艇選手の小野真歩(112期、登録番号4770)。
男子に勝てたら気持ちいいだろうな!
競艇選手を目指したのは地元で居酒屋を経営していた父親の影響。中学生の時に一緒に見に行った芦屋競艇場で、レースで活躍していた日高逸子選手を見て、「男子にもこうやって勝てたら気持ちがいいだろうな」というのがボートレーサーになろうと思ったきっかけだと言います。高校は全国大会にも出場するサッカーの名門校で、小野選手は中・高とソフトボール部に在籍したスポーツ少女でした。でも、入学したやまと学校では思うような成績を残せず、いつも落ちこぼれ。最後のリーグで上位に入りギリギリの成績で卒業できたようです。
デビューも初勝利も芦屋競艇場
デビューは2008年11月の芦屋競艇場ですが、しばらくの間全く勝てず、今ではSGで戦っている彼女の姿からは想像できない辛い時代が続きました。
そして、やっと初勝利を挙げたのが2010年5月で、デビューした時と同じ芦屋競艇場。初勝利まで1年半もかかってしまったのです。
その後は2011年11月に住之江競艇場で開催された「男女ダブル優勝戦第6回森下仁丹杯」で初の優勝戦出場を達成。2013年12月、蒲郡競艇場で開催された「男女ダブル優勝シリーズ 2013ファイナルカップ」女子の部で初優勝を飾りました。
2017年は、地元の芦屋競艇場で開催された「GI第31回女子王座決定戦」でGI初優勝を達成。更に女子選手としては1996年以降初となるSG3連勝(第44回笹川賞2日目〜3日目)やSGで2回の準優出(笹川賞・オーシャンカップ)を果たしています。
そして、2018年には念願だった初の賞金女王に輝いています。
レーススタイルと成績
小野生奈選手のレーススタイルを紹介すると、何と言ってもターンの上手さ(ハンドル捌き)、そしてモーターの調整技術です。
強引な前づけはせず、枠なりのスタートが多いのは、本人曰く1コースはあまり得意ではなく、寧ろ3、4、5コースの方がレースがし易いと言う理由からのようです。
スタートは決して早い方ではありませんが、5コース6コースからでも確実に舟券に絡んでくる技術と実力を持っています。
1コースの3連対率は82・1%ですが、4コースでも68・4%、5コースで36・8%、6コースでも31・6%の高水準です。
ただ、最近はスタート技術が上がってフライングが少し気になるところです。
これまでに優勝は17回(G1—1回、G3−3回、一般−13回)です。競艇場別で成績のいいのが勝率8・01の津、7・80の江戸川、7・77の三国です。津では2回、江戸川でも2回、三国では1回の優勝を飾っています。
休みは買い物や家でゴロゴロ
プライベートの小野生奈選手はどのように過ごしているのでしょう? 買い物や家でゴロゴロしているというのが本人のコメントです。
ただ、長いフライング休みには大好きな温泉に家族や友達と行くこともあるようです。また、最近はネイルに凝っているようで、ネイルの画像が幾つもアップされています。
気になる結婚は?
また、今年31歳と言うことでファンは結婚が気になるところです。本人も2020年には何とかしたいと話していることから、電撃発表があるかもしれませんね。
競艇界では選手同士で結婚するケースがとても多く、何組もレーサーカップルが誕生していますが、小野選手は「相手は選手でない方がいい。自分の考え、やりたいこともあるし、ボートのことは知らない方がいい」と話しています。
また、妹の小野真歩選手も同じボートレーサーですが、練習についての意見交換をいつも行い互いに切磋琢磨しているそうです。そして「妹に言ったことは、自分もその分しっかりやらないと、という気持ちが働きますから」と言い、常に妹に背中を見られていることを意識しているようです。
「ももクロ」の大ファン
また、小野生奈選手が「ももクロ」(ももいろクローバーZ)の大ファンというのは、有名な話ですが、篠崎元志選手のSG優勝祝勝会ではコスプレ衣装で、妹と小池礼乃選手、渡邉優美選手、竹野未華選手の5人で「“おの”いろクローバーZ」を結成して、一緒に踊ったそうです。
5人の担当も決め、コスプレをしてきっちり練習したと言います。とても明るい性格の姉妹のようですね。