そもそも水神祭とはどういったもの?
競艇では、水神祭という行事が行われていることを知っているでしょうか。
水神祭とは、デビューして初勝利や通算勝利数が節目に到達した選手などが、所属支部の先輩や同期などに担ぎ上げられ競艇場の水面に投げ込まれて勝利を祝う行事のことです。
あまり見かけない光景なので、初めて見ると何これ?と思うかもしれない行事です。
水神祭が始まったきっかけ
そもそも水神祭が始まったきっかけは、1980年代に旧訓練所であった本栖研修所で訓練に厳しい教官が卒業式に水面へ飛び込み、それに続いて訓練生も飛び込んだという経緯があったそうで、そのことから初勝利など祝いごとのタイミングに今でも行われるようになったという説があります。水面の上で戦う競艇ならではこその水神祭といえるでしょう。
どのタイミングで、いつ水神祭が行われるの?
デビューして初勝利をあげた新人選手、初優勝をあげた選手、最後の出走で引退を決めた選手など基本的にお祝いの意味合いで行われる水神祭。
行われるタイミングとしては、その日の全レースが終わった後です。
水神祭をされる選手は所属支部の先輩や仲の良い同期などにうつ伏せ状態で担がれて、イチ!ニ!サン!とか、せーの!などの掛け声をした後に水面へ投げ込まれます。
投げ込まれた選手だけが水面に飛び込みますが、お祝いであることから盛り上げるために投げ込んだ選手らが続けて飛び込むといった光景もよく見られます。
水神祭を経験してきた選手いわく、春や夏場はいいが冬場はただでさえ水温が低くかなり冷たいためそれらを理由に避ける選手や、泳げないためしないといった選手もいるそうです。
気持ちはわからないこともないですね笑。
生で近くで見る機会はあまり少ないと思いますが、JLCレジャーチャンネルの「BOATRACE TIME」などの競艇番組で新人選手の初勝利のレース結果とともに水神祭が行われる映像が流れたすることがあるので、水神祭を確認するには番組などを見るのがいいと思います。
印象に残った水神祭をピックアップ!
まずは、今年の3月17日から22日にかけて平和島競艇場で開催された、「SG第55回ボートレースクラシック」の4日目予選最終日1レースの2号艇2コースで出走した福井支部の今井美亜選手のSG初勝利をした水神祭です。
今井選手は昨年末に行われたクイーンズクライマックスで優勝し、ボートレースクラシックの出場権を得ました。SGは初出場です。
初日から3日目までは全く舟券に絡むことができずにいましたが、迎えた4日目1レースで2号艇2コースから捲りを決めて、ファンからすれば予想外の初勝利を挙げる結果となりました。
そして全レース終了後同日に水神祭が行われ、レースに出場している多くの強豪選手たちによって担ぎ上げられて水面へ投げ込まれていました。
その際に、泳ぐことが苦手な今井選手に付き合うかたちで福岡支部の西山貴浩選手も一緒に水面へ飛びこんで(正確には、仲の良い池田浩二選手らに背中を押されて飛び込んでます笑)、今井選手のフォローをしました。
西山選手は競艇選手のなかでも、わんぱくなキャラクターとして有名であり初勝利を盛り上げる要素もあって一緒に飛び込んだ気持ちもあると思いますが、実は泳げない今井選手のサポートをするためだったという優しさにほっこりする水神祭でした。
ちなみ西山選手はこの節は成績がよろしくなく、飛びこんだ後に俺じゃない!と叫んでいる件も面白いです。
またもうひとつ印象的な水神祭が、昨年12月に住之江競艇場で開催された「第34回SGグランプリ」で初優勝を飾った大阪支部の石野貴之選手の水神祭です。
石野選手といえば、同支部の絶対王者である松井繁選手の次世代を担うエースレーサーで、G1やSGランクのレースに出走することがほとんどであり数々の優勝実績を誇る実力そして人気がある選手です。
石野選手クラスになると、G1優勝したときや勝利数が節目になったとしても水神祭をすることはほどんどありませんが、グランプリでは何度も出場するも結果が出ず念願の初優勝また地元開催だったため、久々の水神祭が行われることになりました。
松井繁選手や太田和美選手、後輩である木下翔太選手や上條暢嵩選手らに担がれて投げ込まれて同時に木下選手と上條選手も一緒に飛び込み、石野選手のグランプリの初優勝を大いに祝いました。
念願だったグランプリ制覇した石野選手の水神祭はとても感動的で印象に残るものでした。どちらの水神祭も動画サイトで検索すると映像あるため、興味のある方はチェックしてみてください。
まとめ
水神祭はお祝いごとで行う行事ですが、初勝利や初優勝をした選手と所属支部の先輩、後輩が一緒にやることで絆が強く垣間見える光景も感じとれます。またレース前のキリッとした表情ではなく、レースが終わってリラックスしたいつもと違う選手たちの雰囲気や表情も見えることも面白く良いところです。
競艇ならではの水神祭に注目してみるのも、競艇を楽しめる部分だと思います。新人選手が初勝利したときには、ほぼ水神祭が行われ一番見れる機会がここだと思うのでこのときに確認するのがいいかもしれません。