全ボートレーサーの目標である賞金王決定戦(グランプリ)は12月に開催されますが、その前哨戦に位置づけられるチャレンジカップ。
2023年は、11月21日(火)~11月26日(日)にかけて、「ボートレース三国」で開催されました。
この記事では、チャレンジカップのレース概要や過去の優勝者、直近開催の結果などについてご紹介します。
※他のSGの開催日程・レース結果についてはこちらの記事をご覧ください。
チャレンジカップとは
チャレンジカップは、1998年(平成10年)に新設された最も新しいSG競争です(当初は「競艇王チャレンジカップ競走」、2010年より現名称)。
出場資格は極めてシンプルで、1月1日~10月31日の獲得賞金上位者(上位34名)です。他のSGと異なり、前年度の優勝者や直近SGの優勝者などの優先出場権はありません。
グランプリが年間獲得賞金ランキング上位18名で争われるレースであるのに対し、チャレンジカップは10月31日時点での年間獲得賞金ランキング上位34名で争われるレース。
まさにグランプリの前哨戦であり、グランプリ直前に現時点での最高峰のレースがみられるのが、このチャレンジカップです。グランプリ優勝を狙っている選手にとっては、ライバルを知る良い機会でもあります。
賞金金額は、ボートレースの中で3番目に高い3,400万円になります!
過去5年の優勝者
チャレンジカップは2023年で26回目の開催となり、過去5年の優勝者は以下の通りです。
開催回 | 開催レース場 | 優勝者 |
2022年(第25回) | ボートレース鳴門 | 深谷知博 |
2021年(第24回) | ボートレース多摩川 | 辻栄蔵 |
2020年(第23回) | ボートレース蒲郡 | 毒島誠 |
2019年(第22回) | ボートレース桐生 | 石野貴之 |
2018年(第21回) | ボートレース芦屋 | 馬場貴也 |
参考:https://www.boatrace.jp/owpc/pc/data/record/list?category=2500
2023年(第26回)チャレンジカップの優勝者は片岡雅裕選手
チャレンジカップはグランプリ前の最後のSGであり、ランキング上位18名に入るラストチャンス。
2023年(第26回)のチャレンジカップを制したのは、香川支部の37歳・片岡雅裕選手(101期)でした。
2度目のSG制覇で賞金3,400万円を獲得し、賞金ランキングも32位→10位にジャンプアップし、土壇場でグランプリ出場を決めました!
2023年11月26日(日)12Rに開催された優勝戦は、以下のメンバーで争われました。
- 片岡 雅裕(香川)
- 池田 浩二(愛知)
- 峰 竜太(佐賀)
- 今垣 光太郎(福井)
- 山口 剛(広島)
- 茅原 悠紀(岡山)
ピット離れで後手に回った4号艇・今垣選手が回り込み、1234・56の進入に。それでも1号艇・片岡選手は好スタートから危なげなく先マイ、逃げ切りました。
3連単1-3-6は2,850円。
「ホッとしています。一度優勝しているのでリラックスしていけるかと思ったけど、1号艇は緊張が違いました。でも『絶対に勝つ!!』と言い聞かせていきました」とのコメントでした。
初日の大波乱
2023年のチャレンジカップは、初日から波乱の幕開けでした。12Rのドリーム戦は、下の6名で争われました。
その賞金額から、既にグランプリ出場は確定と言ってよい錚々たるメンバーです。
しかしながら、2号艇・馬場貴也選手が2コーナーで失速。そこに6号艇・濱野谷憲吾選手、3号艇・磯部誠選手が避けきれず追突。結果、馬場選手が妨害失格、浜野谷選手と磯部選手が選手責任外の転覆失格となってしまいました。
このドリーム戦のほか、10Rでは、土屋智則選手と毒島誠選手がフライングして返還艇ありになっています。結果、優勝戦にはこれらの有力メンバーがすっぽり抜ける形になりました(濱野谷選手は準優戦で敗退)。
チャレンジカップは上位陣は無難な走りのはずが・・・
チャレンジカップは獲得賞金金額の上位という条件だけで出場が決まり、年末のグランプリ出場をかけた最終決戦。
例年、チャンレンジカップは荒れることが多く、「その年のトップの成績を残している選手」ではなく、ダークホース的な存在の選手が優勝することが多いSGです。
その理由としては、ランキング上位の選手は既にグランプリを見据えており、チャレンジカップでは「フライングや事故を避けよう」という意識が働きやすいからのようです。
グランプリ出場が既に安全圏の選手と、ボーダーライン上の勝負駆けの選手との間で、勝負にかける必死さの差が現れるということですね。
しかし、今開催では、上に書いた初日の結果により、既に馬場・土屋・毒島の3選手が賞典除外、磯部・濱野谷の2選手が転覆による出遅れとなってしまいました。