この記事では、競艇界のトップレーサーの一人である茅原悠紀(かやはら・ゆうき)選手について取り上げます。
この記事では、モンキーターンの進化版「ウィリーモンキー」のスゴさから「異次元」「宇宙人」とまでの異名を持つ茅原選手について、じっくり紹介していきます!
*本記事は2024年7月現在の情報に基づきます。
茅原悠紀選手について
茅原選手は1987年生まれ。出身は岡山県で、東岡山工業高校を中退。
中学生のころ父親と競艇場に行き、ボートレーサーのかっこよさに魅せられて、選手を目指し始めたとか。レーサーに必須のエンジン・プロペラの調整技術の習得のために工業高校に進学し、15歳で試験に挑戦しています。
倍率40倍とも言われる超難関試験には苦戦が続きましたが、5回目の挑戦で見事に初志貫徹。
登録期は99期で、登録番号は4418。
やまと訓練生時代は、「賞金王になる」との強い決意から研究心も強く、リーグ戦勝率7.03を記録。
2006年11月に地元・児島での第4回競艇マクール杯でデビュー。3日後には初勝利を挙げるなど、その高い素質の片鱗を見せています。
2008~2009年頃は失格も多く、苦労した時期であり、B2への降格も経験しています(A1復帰は2010年半ば)。
2009年12月、宮島の一般戦で初優勝。
グレードレースについては、2008年に地元G1に初出場、2012年に徳山でのG1・第27回新鋭王座決定戦(現ヤングダービー)で初優勝を飾っています。
SGは2012年の浜名湖でのSG第39回笹川賞競争(ボートレースオールスター)にて初勝利。そして、2014年には賞金王決定戦(グランプリ)で初SGタイトルを獲得しています(後述)。
あっと言う間に、岡山支部のエースにのし上がった茅原選手。2021年には1000勝目を達成、仲間に水面に投げ入れました。同年、ゴールデンレーサーとして表彰されています。
決まった師匠の名前は聞きませんが、上述の2009年宮島での記念すべき初優勝の際には、岡山支部の先輩A1レーサー・川崎智之選手が調整したといわれるペラを使って優勝したとのことで、師匠的な存在なのかもしれません。
なお、弟子にあたるレーサーはまだ居ないようです。
茅原選手のレーススタイル
茅原選手のレーススタイルは、どのコースからでも舟券が狙えるオールラウンダー。「異次元」「宇宙人」と言われる凄まじいターン技術を武器に、「差し・まくり」を得意とします(本人も、好きな決まり手と言っています)。
「レーサーとして10年・15年とやっていくうちに、頭打ちする部分が誰にもある。その時、その範囲の力でやってしまうことが嫌。自分のレースを常に探求して、自分を楽しくするようにしている。そうする事が好きで仕方がない」と話す茅原選手。
そんな彼のターンは、ウィリー・モンキーターンとも言うべきターンで、体重移動を行いつつ、ターンしながらボートの舳先を浮かばせ、水抵抗を減らしつつターンスピードも保つ・・・というスーパーターンであり、おそらく誰も真似出来ないほどに突き詰められているようです。
カッコ良さとリスキーさが同居しているようにも見えますが、レースの瞬間瞬間で熱くなるようなレースをいつもしていたい、という茅原選手ならではの思いが詰まってそうですね。
2014年の第29回グランプリ(賞金王決定戦)
2014年12月に開催された第29回賞金王決定戦(グランプリ)では、茅原選手はトライアル1stから勝ち上がり。
優勝戦は不利な6号艇からのスタートでしたが、展開を捉えて、その日の最速タイム(1分45秒6)でゴール!
大外からの差しでつかんだ果敢な攻めが会場を沸かせ、“衝撃のグリーンインパクト”というキャッチフレーズで話題を集めました。
身長が171センチであり、体重を47キロまで絞った末での快挙だったとか。岡山勢初の賞金王決定戦覇者の誕生、そして茅原選手にとっては5度目のSGファイナルでの悲願のSGタイトル獲得となりました。
2023年~2024年の躍進
2023年に入ると、2月の地区選(G1)で優勝、SGを含む各レースで着実に上位に入るなど、好調を維持。チャレンジカップ終了後の賞金ランキングは3位。
そして迎えた2023年のグランプリですが、トライアル2ndの最終日、1着なら優勝戦1号艇のはずが6着に沈み、優勝戦は奇しくも?再び6号艇からの出走。
今回は惜しくも優勝は逃しましたが、2023年は6度のSG優出と、競艇界の新記録を達成しました。
そして迎えた翌年の2024年のオーシャンカップ。
茅原選手は4号艇から大逆転勝利を収め、自身2度目のSG制覇を達成!
2014年グランプリ以来、約9年7か月ぶりのSG優勝に、思わず涙する場面もありました。
2024年7月末時点で賞金ランキング上位を維持しており、グランプリでの活躍にも期待がもてそうです!
茅原選手のプライベート
茅原選手は、中学時代に空手の全国大会で優勝経験があるそうです。その高い身体能力は、競艇選手になってからのターンの素晴らしさに存分に表れていますね。
SNSに盛んに投稿されていますが、仕事の話には触れることなく、プライベートでのアウトドア派をアピールしています(笑)。岡山県北の高原地帯・蒜山(ひるぜん)に別荘を所有しているとか!
車好きでも有名で、2014年のグランプリ優勝時の賞金で、念願の超高級車・ランボルギーニを購入。優勝戦が6号艇(緑)だったため、カラーも緑色にしたそうです。なお、2018年頃に再びランボルギーニを購入したことがメディア取材で確認されています。
ちなみに茅原選手は既婚者です(上述のランボルギーニ購入の際、奥様の意見を聞いた、との発言から判明)。結婚日時、ご家族などの公表はされていません。
その他の趣味は、山登り、渓流釣りなどだそうです!アウトドア派とのことですが、何でも得意そうですね!