この記事では、2025年最大の注目レーサーと言っても過言ではない佐藤隆太郎(さとう・りゅうたろう)選手について取り上げます!

2025年上半期、ボートレースクラシック・ボートレースオールスターの2つのSGを立て続けに優勝し、6月1日時点で賞金1億円に到達した佐藤選手。さっそうと現れた新星について、じっくり解説します!
佐藤隆太郎選手について
佐藤隆太郎選手は、1994年5月7日生まれ、身長は166センチ・体重は55キロ。
出身は東京都八王子市で、野球の強豪・山梨学院大学付属高校に通っていました。
もともとプロ野球を目指しており、野球部でのポジションは二塁(セカンド)だったそうです。
しかし、「1つ上と1つ下が甲子園に出て、僕らの代は県の準決勝で負けた」とのこと。
プロ野球選手の夢をあきらめたとき、進路として急浮上したのが競艇選手でした。
きっかけは祖父であり、小学生の頃から競艇場に連れていかれ、「ボートレーサーになれ」と言われて育ったとか!?
さらに、佐藤選手の叔母は元ボートレーサーの飯倉郁子さん(故人)。昔から競艇選手がかっこいいと思っていたそうです!
血筋のセンスなのか、ボートレーサー養成所には2回目の受験で合格。
ただ、養成所時代はひたすら落水していたそうで、同期の中で断トツだったそうです。落水するとボートに乗せてもらえないので、ずっと外を走っていたとか・・・
一方で、訓練後期には実力が大きく伸びて、「スピード・キレ・スタートの3拍子が揃った存在。取り組み方も熱心で、真摯な姿勢が伺えた。」と教官からコメントされています!
所属支部は東京支部、登録番号は4847。
登録期は115期で、仲谷颯仁選手(福岡支部)、関浩哉選手(群馬支部)、豊田健士郎選手(三重支部)、野中一平選手(愛知支部)、権藤俊光選手(大阪支部)などが属する注目世代です!
2014年11月、多摩川でデビューを果たし、結果は5着。
3か月後の2015年2月に桐生で初の1着、さらに2017年3月に多摩川で初優勝を決めました。
2024年には、丸亀のボートレースメモリアルでSG初出場。
ちなみに、2024年までに一般戦は14回優勝していましたが、G1~G3の優勝はありませんでした。
そんな佐藤選手でしたが、4回目のSG参戦だった2025年3月のボートレースクラシックで、いきなりSG初優勝!
それだけでも驚きなのに、2か月後の2025年5月のSG・ボートレースオールスターでも優勝、SG初優勝からのSG連覇を達成したため、かつてない注目が集まっています。

SG初優勝からの連覇は、1991年の西田靖選手(グランドチャンピオン→メモリアル)以来、4人目の快挙です。ちなみに、他の2人は倉田栄一さん・野中和夫さんです(いずれも引退済み)。
2025年上半期のSG連覇
それでは、佐藤選手が2025年上半期に成し遂げた快挙、SG初優勝からの連覇について、詳しくみていきましょう!
第60回ボートレースクラシック
2025年のボートレースクラシックは、3/25(火)~3/30(日)にかけて、ボートレース若松で開催されました。

予選を得点率1位で突破した佐藤選手は、準優戦もイン逃げを決め、3/30(日)の優勝戦の1号艇をゲットしました。
優勝戦の顔ぶれは以下の通りで、そうそうたる顔ぶれです!
- 佐藤 隆太郎
- 塩田 北斗
- 西山 貴浩
- 宮地 元輝
- 池田 浩二
- 馬場 貴也
佐藤選手はコンマ08のトップスタート。そのまま誰も寄せ付けず、力強く逃げ切りました。
「実感はないけど、インで勝てて良かった。ほっとしました。」とコメントした佐藤選手。
勝利については「エンジンのおかげ」と謙遜。
佐藤選手が使っていた30号機は「隠れエース機」と呼ばれていたものの、2連対率は29.0%と、かなり低い水準でした(2連対率順でモーターを並べた場合、44位)。
そのポテンシャルを存分に引き出して超抜に仕立て上げたのは、佐藤選手の技術だと考えられます。
第52回 ボートレースオールスター
2025年のボートレースオールスターは、ボートレースクラシックから2か月後、5月27日(火)~6月1日(日)にかけて、ボートレース丸亀で開催されました。

エンジン抽選で佐藤選手は最後に引き、エース機の一つである47号機をゲット。クラシックの時の30号機とは違い、47号機の2連対率は50.0%とトップでした。
この開催でも佐藤選手は予選を1位通過。初戦から「すごい出方をしていて優勝を意識できた」とコメントしており、周囲の期待をものともせず、エース機の強みを存分に生かしていました。
準優戦でも勝利し、6/1(日)優勝戦のメンバーは以下になりました(得点率2位が茅原選手、3位が峰竜太選手)。
- 佐藤隆太郎
- 茅原悠紀
- 峰竜太
- 磯部誠
- 桐生順平
- 篠崎元志
佐藤選手はインからコンマ15のトップスタート。「1走目からいい舟足をしていて、周りに見せつけられるようにしたいなと思って調整してきた」とのことで、優勝戦も抜群の仕上がりでした。
3号艇・峰選手が意地をみせて食い下がりましたが、それをはねつけてゴール。
レース後、「1周1マークを回って大丈夫だと思ったけど、峰さんも道中あきらめていない感じだったので、しっかり走りました」とコメントしていました。
SG初制覇からの連覇について聞かれると、「知らなかったんですけど、4人目だとそんなにインパクトないなっていう・・・」とのこと(笑)
※ちなみにSG連覇は、2019年の石野貴之選手(チャレンジカップ→グランプリ)以来20度目
ボートレースオールスターの賞金4,200円を追加し、6月1日時点で獲得賞金が1億円を突破。年末のグランプリ当確となりましたが、これは史上3位のスピードだそうです。

「実力的にはまだまだだと思ってますし、トライアル2ndからになると思うので、グランプリ獲れるように半年間過ごしたいと思います!」
佐藤選手はデビュー時、将来の目標として「毎年賞金王に乗る選手」を掲げていましたが、目標に大きく近づいたことを自他ともに認められるような、堂々たるコメントでした。
佐藤選手の師匠は?
「長所は楽観的なところ、短所はせっかちなところ」と語る佐藤選手。
考えて取り組むことを重視し、プロペラ調整やターンについても、「こうやったら良くなるかな、こう叩いたらどうなるんだろう」と好奇心を持って取り組むことが大事・・・と語っています。
そんな佐藤選手の師匠は、同じ東京支部の長田頼宗選手。
佐藤選手は長田選手から、「プロペラ、レース、気持ちの保ち方など、色んなことを教えてもらっている」とのこと。
2025年3月のボートレースクラシック優勝後には、「家族と、お世話になった長田頼宗さんに優勝を報告したい」と師匠への感謝を口にしていました。なおGW後には、長田選手が音頭を取って、クラシックの祝勝会が開催されたそうです!
ちなみに、そんな長田選手の師匠は、同じく東京支部の渡辺千草選手(登録番号3175)。
渡辺選手にとって、佐藤選手は孫弟子に当たり、さらに佐藤選手の叔母である故・飯倉郁子さんは56期生で、55期生の渡辺選手と1期違いの間柄だったとか!
渡辺選手は佐藤選手の母親も知っており、佐藤選手をお風呂に入れたこともあるそうです(笑)

師匠・長田選手と、固い絆で結ばれている佐藤選手。師匠の師匠である渡辺選手も、佐藤選手の優勝を我がことのように喜んでいたとか!
佐藤隆太郎選手のプライベート
趣味はDVD鑑賞・スポーツ観戦と語っていた佐藤選手。
SNSはInstagramのアカウントを開設しており(@ryutaro4847)、レースの様子や日常の一コマをファンに公開しています!
私生活では、2025年7月にお子さんが誕生予定と一部で報じられています。この新たな家族の誕生が、SG連覇の大きな原動力になったのかもしれませんね!
佐藤選手の座右の銘は、「一寸先は光」。
ボートレーサーの魅力について、「良くも悪くも目に見えて結果に出る、自分次第でどんどん上を目指していける」と語っており、今後さらなる成長を見せてくれるに違いありません。

同じ115期の仲谷颯仁選手・関浩哉選手らと同様、これからの競艇界を背負って立つであろう佐藤選手。2025年の賞金王争いではダントツ首位であり、グランプリでの活躍からも目が離せません!