ボートレーサーになるには、競艇学校である「ボートレーサー養成所」(福岡県柳川市大和町)で訓練を積み、卒業する必要があります。
平均年収1,800万円とも言われる競艇選手になるには、様々な条件・課題をクリアしなくてはならず、数多くのハードルが待ち構えていると言っていいでしょう。
※「ボートレーサー養成所」は、かつて「やまと学校」という名称で知られていましたが、2017年4月より名称が変更されています。
この記事では、ボートレーサー養成所の試験内容や倍率、費用といった情報をまとめてみました!
募集時期と試験日程など
ボートレーサー養成所の募集は、①1月4日~3月1週目あたりまで、②7月1日~9月1週目あたりまでと、年間2回にわたって行われます。
現在は第137期が募集中で、期間は2024年1月4日(木)~3月8日(金)までです。
試験日程については、第1次試験~第3次試験まであり、それぞれ次の通りです。
第1次試験
第1次試験は、第137期の場合、2024年5月12日(日)に行われます(※その次は約半年後)。
第1次試験の試験会場は、「北海道・東北・関東・東海・近畿・四国・中国・九州・沖縄などの主要都市」となっています。
第2次試験
第2次試験は、第1次試験合格者・スポーツ推薦者が受験することができます。
第137期の場合、2024年6月10日(月)~12日(水)の3日間にわたって行われます(※その次は約半年後)。
第2次試験と第3次試験の試験会場は、福岡のボートレーサー養成所です。
第3次試験
第3次試験は、第2次試験合格者が受験することができます。
第137期の場合、2024年6月13日(木)~14日(金)の2日間にわたって行われます。
合否発表
試験の合格発表は、第137期の場合、2024年7月上旬を目処に、受験者あてに通知されるようです。
合格者の入所は2024年10月1日(火)からになります。
年齢制限について
競艇学校に応募するにあたっては様々な条件がありますが、年齢制限に引っかかって応募できない方も多いようです。
年齢は、15歳以上30歳未満 であることが条件で、第137期の場合は1994年10月2日~2009年4月1日生まれの方が対象です。
30歳を過ぎたら競艇選手にはなれないということになります。
その他の応募資格に関しては、こちらの記事を参考にしてください。
競艇選手になるにはどうすればいい?募集開始時期や条件について
試験内容
第1次試験から第3次試験までの内容は、それぞれ次の通りです。
※試験内容等については一部変更される場合もあり、受験前に必ずボートレーサー養成所の募集要項を確認ください!
第1次試験
第1次試験では、「学科試験」と「体力試験」の2つが行われます。
「学科試験」は、国語・数学・理科・社会の4科目であり、難易度は高校入試程度と言われています。
「体力試験」については、柔軟性・筋力・瞬発力の3つを見るための試験となっているようです。
※なお、スポーツ推薦候補者については、第1次試験は人物試験だけのようです。
第2次試験
第2次試験では、「適性試験」と「体力試験」の2つが行われます。
「適性試験」は、操作適性・反応力・注意力・調整力・スポーツビジョン・心理判断などがテストされ、ボートレースに対する適正の有無が判断されるようですね。
一方、「体力試験」では、全身持久力・筋持久力・筋力・瞬発力・敏捷性・柔軟性など、フィジカル面の強さをみる試験のようです。
第3次試験
最終試験である第3次試験では、「人物試験」として面接を行い、健康状態の確認のための「身体検査」(眼科・耳鼻咽喉科・外科・内科・泌尿器科)があり、さらに視覚・視野・音感・運動神経の「適正検査」が行われます。
試験の倍率はどれくらい?
福岡にある競艇学校の倍率は40~45倍、合格率は約2.5%と言われており簡単に入学できるわけではありません。
実際、競艇選手の中には何度も試験を受けた方もいるようですね。
しかし、特別試験枠というものもあることから、入学に有利となる人もいるようですね。
競艇学校の学費(費用)
ボートレーサー養成所では、2017年4月以降に入所する訓練生からは養成費用(学費)の120万円が無償化されました。
これにはボートレーサーの志願者を増やすため、経済面からの不安を軽減することが目的となっているようですね。
ちなみに1人のボートレーサーを育成するには、約1,000万円かかると言われています。
入学してからが大変!?
無事に競艇学校へ入学できたからといって、まだ安心はできません。
卒業すれば晴れてボートレーサーになれるわけですが、競艇学校を卒業するまでの1年間は、とても厳しい規則や罰則に縛られることになります。
そのため、毎年退学する訓練生がいるようです。
スパルタ教育
競艇学校では礼節を重んじているため、教官(先生)に対する礼儀を厳しく教え込まれ、態度が悪い場合には叱咤や罰則を受けることに。
また、自衛隊のように整列や行進の訓練などもあるそうです。
施設内の生活においても個室ではなく相部屋のため、近年の風潮とは違ってプライバシーの面がオープンになっています。
こういった生活が合わずに、競艇学校を退学する方も少なくないようです。
規則正しい生活と厳しい指導
競艇学校の生活は自衛隊学校の様に時間に厳しいものとなっており、朝は6時に起床してから布団を片付けて広場へ出ます。
そして、広場では男子は上半身裸で乾布摩擦を、女子はダンベル上げをした後で点呼を取り、そこから22時の消灯時間までの間に訓練が行われます。
また、入寮中は基本的に外出が禁止となっていますが、稀に外出日が与えられるようです。
しかし、ハメを外しすぎたり外出から戻ったあとの計量で体重オーバーとなった訓練生は、教官から厳しい叱責を受けるそうです。
この他にも携帯電話の持ち込みが禁止されている上、公衆電話も週に1回しか使えないため、この日は電話の順番待ちの行列ができるようです。
こうやって規則や訓練の一部を見ると、まるで自衛隊学校のようにも思えますね。
しかし、1年という短い期間で訓練生を身も心もプロフェッショナルへと育てなくてはならないことから、厳しい教育が必要になるのでしょう。
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